Last Update : 2004/12/01

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★尾張西南部広域農道問題

 
【コメント】県も国も財政難!必要な道路かどうかの行政評価は、しっかりとやって欲しい。
111億円かけて、たった9億円の効果?
 既存の立田村村道から300〜400mところに建設?
  行政評価システムでは、どう評価しているの?

 「尾張西南部広域営農団地農道整備事業」について、2000年11月、「集落の中を道路が通るらしいが何とかならないだろうか」という相談が、数世帯の方からあったのが、この問題に関わるはじまりでした。学校にも近く、こんなところに大きな道路を造って欲しくないという声も、若いお母さん達から出ていました。
 その時、みなさんと一緒に村や県の担当者と話しを聞いたり、一緒に情報公開請求して資料を入手し、集落の中で話し合いが行われ、路線を少しずらすということで話しが付きました。
 しかし、その後、計画されている広域農道と300〜400mのところを並行して走る村道(通称:西農免道路)が、村費100%で拡幅され、新たに広域農道を造る必要があるのかの声が、でてきました。
 そこで、県は、新たに整備された村道の交通量を調査し、今後の整備については再検討するとの姿勢を示しました。
★問題★
以下の地元の地権者への説明会の様子をみてもわかるように、不十分な説明で同意が取られたことや、地域として反対している様子がわかります。また、道路建設は地域の生活に大きな影響を与えるのに、関係者だけへの説明しかされずに計画が進んでいることがよく分かります。このような構造は、立田村村内の産廃計画時にもこのようなことがあり、問題になったはず・・・。情報公開が大変遅れていることを感じます。
 

★どんな事業?★広域営農団地農道整備事業
(2000年11月に公文書請求「目的と効果が分かる資料」で公開された資料より抜粋)
第1章 目的 生産から集出荷までの一貫した農道網を配置し、その基幹となる農道を整備することによって、農産物市場の拡大、農産物取引の規格化・大量化等の情勢に対応し、高生産性農業の展開を図ることを目的とする。
第2章 地域 広域営農団地農道整備事業(愛知県海部郡十四山村・飛島村・弥富町・佐屋町・立田村・八開村)
第4章 一般計画 《事業計画の趣旨》
広域営農団地整備計画の一貫として、海部郡十四山村外5町村にわたる全長28,550m(本事業18,300m)の農道整備を行い、生産から集出荷までの一貫した農道網の基幹農道をする。
第5章 主要工事計画 道路=7.5(6.0)m×18キロ。橋梁=7カ所
第7章 工事の着手と完了予定 平成5年〜平成14年
第8章 換地計画 なし
第9章 事業費の総額と内訳 主要工事=86億円。関連事業=25億円。合計=111億5千万円
第10章 効用 走行経費節減効果=9億6354万円。維持管理費=1229万円。差し引き効果額=9億5126万円
★経過と調べたこと★
H4 署名が集められた
H5.2.24 土地改良事業「広域営農団地農道整備事業尾張西南部地区)の概要等が広告された。
H5.3.2 立田村村長・神田義俊により、工事費の5%の負担する旨の書類を県へ提出。
H5.9.22 事業計画を縦覧に供するよう愛知県農地林務部長より立田村村長に依頼文が届く→立田村は、縦覧のお知らせを広報しなかった。
H5.11.2 立田村から愛知県農地林務部長宛に、縦覧に供したことを報告した。

H12.11月 集落内に大きな道路ができると、数世帯の方から相談が飛び込む。情報公開請求し、資料を入手する。署名後、住民に事業の進捗ついて伝わらず、住民の多くは消えて無くなった事業と思っていたことも、聞き取りでわかる。
H11.6.30 《公文書の会議報告書より抜粋》担当課長打ち合わせ
趣旨:平成11年度事業実施予定について
八開村:土地買収。佐屋町:道路工事。弥富町:土地買収。飛島村:道路工事。
H12.6.27 《公文書の会議報告書より抜粋》担当課長打ち合わせ
趣旨:平成12年度事業実施予定について
八開村:土地買収。佐屋町:道路工事。弥富町:土地買収&道路工事。飛島村:設計。
H12.9.26 《公文書の会議報告書より抜粋》立田村議会議員視察研修
★見学場所=祖父江町神名津、佐屋町西保等
★出席者=海部事務所・農地担当4名。立田村(井桁村長・飯谷助役・建設部長・建設課長・議会事務局・議会議員14名うち12名)
★趣旨=立田村のとの打ち合わせにより、事業実施に向けてH12年度から調査測量を実施する。調査実施の前(7月か8月か)に、地元役員や地権者に説明をすることになっていたが、その前に議員への説明を先にすることになった。
★質疑
(Q1)八開村での用地買収単価は?
 
A:23,000円/u
(Q2)建設省サイド実施の位置づけは?
 
A:予算・着工年度の裏付けはない。
(Q3)歩道は片側か?両側歩道の話しは他町村であるか?
 A:広域農道では、片側歩道です。両側歩道の話しは、飛島と八開であります。
(Q4)用地買収が出来ない箇所は、工事は残しておくのか?
 A:その通りであるが買収できるよう説明したい。
(Q5)既設道路のどちら側に拡幅するのか?
 A:役場と打ち合わせで決まる。
(Q6)建設サイドの事業主体は?
 A:県(開発)ではなく、村である。
(Q7)事業の完了工期は?
 A:現在の所H17年度完了になっているが現状での予算の付き具合では、無理であると思われる。国に積極的に予算増額を要求していく。
(Q8)村長:建設サイド区間を計画変更してでも広域農道で施行してもらいたい
 A:・・・・・・・・・・
(Q9)広域農道事業の見直しは?
 A:現在工期が長い事業については、見直しの話が出ている。
(Q10)緑地帯は?
 A:緑地帯はない。
★当日資料より
全体事業費:93億8481千万円
復員=10.75m(車道復員=6m、歩道復員=3.5m)
設計速度=50q/h
H12.10.30 《公文書の会議報告書より抜粋》立田村惣代・連絡員に測量の説明をする。
★場所=立田村役場・会議室
★出席惣代・連絡員=早尾上・下、枝郷、戸倉、新田、脇野、石田、小茂井上・下、大森(11名出席、1名欠席)
★行政側出席=助役・建設部長・課長・補佐/海部農地=4名
★内容=測量の立入のお願い
★質疑
(Q)路線が鍵の手になっているが、最終決定か?
 
A:最終である。
(Q)修正はないのか?
 A:ない。
(Q)路線はまっすぐにならないのか?
 A:路線については建設省協議で1・2級村道に近い路線は認められず、言動を利用する形で採択された。広域農道は、片側歩道であるが、立田村としては両側歩道を計画している。復員は全体で、14mとなる。村の財政が厳しいので、広域農道と同時施行できないかもしれないが用地買収だけでも同時に進めたい。
(Q)道路の東側にハウス・西側は内箇所があるが、道路拡幅は両側か?
 A:測量した結果で、どの位置が経済的になるか決定していく。
(Q)大型車が通行できるのか?
 A:できる。
(Q)測量の範囲は?
 A:今年度は、八開村境から戸倉地内の県道まで測量したい。
(Q)用地買収の時期は?
 A:平成14年度から予定している。13年度は戸倉地内の県道から下へ用地測量を予定しているが、予算の関係もあるのでどこまで入れるか分からないが順次連絡させてもらう。
(Q)測量に入る時期は?
 A:地元説明会を11月中旬まで進めてもらい早く現地に入りたい。
(Q)地権者への説明は?
 A:惣代と調整して決めたい。役場へ要望があれば、役場も同席する。
(Q)役場が来てくれないと説明できない。
 A:惣代に日程調整してもらいたい。出席者は用地にかかる地権者だけを集める。役場で地権者を調べている。
H12.11.9 《公文書の会議報告書より抜粋》戸倉地区説明会。
★場所=戸倉集会所
★出席地権者等=(17名出席、6名欠席):
地権者関係のみ
★行政側出席=立田村建設部長・課長・補佐/海部農地=4名
★質疑応答
(Q)片側歩道になっているが、もう片側は村で買収して歩道を設置する。立田村だけか?
 
A:八開村全線及び飛島村の一部で設置する。
(Q)設計速度が50qになっているが、40qにならないのか?
 A:・・・・・。
(Q)八開村から北は施行しないのか?
 A:祖父江町の町道につなぐ。
(Q)どこに営農団地が出来るのか?
 A:全体が営農団地となる。
(Q)「農免道路が使えないか?」と要望していたが、「農免道路は使えない」とのことであった。なぜ、農免道路を使うことになったのか?
 A:・・・・・。
(Q)広域農道を造る必要があるのか?
 A:・・・・・。
(Q)中部空港への岐阜方面からのバイパス道路だと思っている。
 A:・・・・・。
(Q)ルートを見るのは、初めてである
 A:同意書をとっているが。(2/3以上の同意があれば採択される。)
(Q)戸倉地区としては反対していた
 A:・・・・・。
(Q)測量の同意という意味ではんこを押した
 A:・・・・・。
(Q)同意書を見せてくれ。
 A:手続きを取って貰えば見せられる。
(Q)当時の役員は知っていたかもしれないが、全ての人に徹底されていなかった
 A:・・・・・。
(Q)戸倉だけ集落の中を通っている。農免を使えば集落の中を通らずにすんだ
 A:・・・・・。
(Q)用地買収時反対したらどうなるのか?
 A:お願いするよりしかない。
(Q)強制収用になるのか?
 A:ひたすらお願いする。同意の上で行っていると認識しているが。
(Q)戸倉としては反対している
 A:今まで強制収用したことはない。
(Q)2本のルートを測量して考えたらどうか?
 A:一本しか認められない。測量費だけでも県道までで2000万円、来年も2000万円かかり、仮に2本のルートを考えた場合経費が膨大になる。
(Q)当時、戸倉集落が2分されるのは困るという話が出ていたが、話しがそのままになっていた
 A:・・・・・。
(Q)その後、何も話しがなかった。今日初めてルートが分かった
 A:・・・・・。
(Q)測量は入っても良いが、土地を売るのは別
 A:・・・・・。
結果:用地測量の了解だけは得られた。

H12.11.10 《公文書の会議報告書より抜粋》早尾地区説明会。
★場所=常徳寺
★出席地権者等=(16名出席、1名欠席):地権者関係のみ
★行政側出席=立田村建設部長・課長・補佐/海部農地=4名
★質疑応答
(Q)平成4年に説明会があったか伺いたい。

 A:説明会はなかった。回覧が回ってきただけ。役員が一軒ずつ回ってはんこを貰った。(Q)大きな道路が出来ることは聞いていたが、どこを通るか初めて知った。
 A:・・・・・。
(Q)土地が減るのは困る。交換は出来ないのか?
 A:適当な土地があれば可能である。役場で斡旋する。
(Q)1人でも反対したらどうなるのか?
 A:お願いするしかない。
(Q)畑にモミガラを処理する機材を置き、自分の田んぼに吐くようにし、他人に迷惑を掛けないようにしているので、土地が減るのは困る。今の条件を満たさないと土地は売れない。
 A:・・・・・。
結果:用地測量の了解だけは得られた。
H12.11月 地元の方々から相談が入る。地元の方々と公文書公開請求と個人情報公開請求を行う
H12.12月初 《立田村・建設課に有志が説明を受ける》
土地改良区主事(35〜36名?)に、村から説明し、理解して頂いた。
本村の耕作者1400名のうち、1200名に同意を頂いた。(各土地改良区主事により集められた)
H13.2.7 《海部事務所にて、有志が説明を受ける》
★質疑応答
(Q)どこから出た事業か?現在までの経緯は?

 A:議会の関わりがある。法的手続きに則って進んでいる。
(Q)道路位置の決定は?
 A:外の道路との兼ね合いと地元の意見により決定している。
(Q)どこで採れた作物をどこへ運ぶために必要なのか?
 A:市場は名古屋であり、県内需要は8割。イチゴが10〜15%羽島、関東・関西へ10〜15%。
H13.2.20 《戸倉集会所にて、有志が説明を受ける》
★質疑応答
(Q)村が事業主体となる建設省サイド部分(農免道路)の負担割合はどうなるのか?
 海部事務所:具体的には、はっきりしていない。

(Q)道路ができれば、非農家の人にも影響があるが、説明はしてあるのか?
 海部事務所:非農家の人の同意は得なくても法的に問題はない。
H13.5.28 《戸倉集会所にて、有志が説明を受ける》
★質疑応答
(Q)位置は誰が決めたのか?
 海部事務所:県と村が位置を決めた。
延々と平行線・・・・
その後、戸倉内で話し合われ、測量をも承諾できない世帯があるため、路線を少し変更した旨の連絡を地元から貰う。
H16.4 農免道路の拡張工事が始まる。
H16.8.23 ●村議が、県農水部・農業整備課に「農免道路拡張工事がされているが、広域農道計画への影響は大丈夫か」と尋ねる。県は「直接の担当は、海部建設事務所だからそちらに問い合わせをしてくれ」と言った。
●村議は、海部建設事務所へ問い合わせる。その内容は以下の通り。
「4月の段階で、村担当者に、これでは広域農道を計画通りに進めることはできないと言ってある。県の行政評価システムで、2〜3年ごとに事業の見直しをしているので、そこで再評価されると思う。農免の状況を見て、大変驚いており、このまま工事を進めることは出来ない。」とのこと。その後、海部建設事務所は、役場に足を運んでいるとのこと。
H16.10.20 朝日新聞で「県の再検討」を報道noudo1.pdf
300〜400mのところを同じような道路が平行して走る(in立田村)


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開設: 98/12/01