2000/ 3/ 7 朝日新聞・朝刊より
名古屋のゴミ、「視界不良」−−県内外で反発・波紋 |
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名古屋市の主な
「ゴミ処分つなぎ施策」
▼愛岐処分場の埋め立て量をかさ上げして増やす延命策<案>
(今後の10年間で計59万トン)
▼市内の民有地を借り上げ、小規模な最終処分場を建設<検討中>
(2002年度ごろから10年間で計10万トン、調査費7000万円)
▼県外にある複数の民間処分場へ埋立を依頼
(年間計3万2000t、5億6000万円)
▼市内の民間企業にごみ焼却灰を高温で溶融する処理を委託
(年間1万4000t、4億2000万円)
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★名古屋市、「焼却灰」を三重県へ。地元反発!!
三重県上野市治田の奈良県産廃業者所有の処分場へ、今年から搬入されている。
2001年度までに年1万トン以内と限り、上野市や地元自治会と昨年11月、覚書の調印にこぎつけた。
だが、治田地区の南正祝区長は「住民の反発が大きくなれば、受入同意を撤回する場合もある」とクギを刺す。
治田を含む花垣地区と呼ばれる一体には、別の産廃処分場もある。
同地区保護者会の杉本幹雄代表は「名古屋市のやっていることは明らかな環境差別。住民の力が弱い県境付近なら地元の抵抗は少ない、とでも考えているのではないか」と反発を強める。
★名古屋市、南区に小規模処分場を建設計画。地元反発!!
昨年12月、同市南区の大正学区役員らでつくる「ごみ処分場対策委員会」の青木昭委員長ら代表3人が松原市市長に「まず地元の理解を最優先に考えて欲しい」と訴えた。
昨年10月、同学区内に小規模な処分場(2.5f)を建設する計画を明らかにした。地元の行政不信が渦巻いている。
周辺には破砕処理場やごみ収集トラックが出入りする環境事業所、2つの下水処理場といった市の施設が点在。
一方、市の古紙回収モデル地区でもある。「ゴミ減量に協力しているのになぜまた犠牲になるのか」と青木委員長は言う。
★岐阜県多治見市(愛岐処分場)も、難色!!
名古屋市のゴミ処分場「愛岐処分場」がある岐阜県多治見市も、事情は似ている。
名古屋市が「処分場の延命を認めて」と求めた1月以降、多治見市役所には市民の電話や手紙が相次いだ。「どれも反対意見ばかり」と。多治見市長は「まだ協議の前の段階」と慎重だ。
仮に多治見市の同意が得られたとしても高いハードルが残る。計画変更届を受ける立場の岐阜県が、県廃棄物問題検討委員会に是非を諮る。梶山県知事も「自分で出したごみを自己責任で処理するために120%努力すべきだ」と難色を示している。
★藤前干潟代替地問題で、弥富町長、協議に応じると発言!!
愛知県弥富町の鍋田ふ頭沖に、名古屋市と同県が立地を目指す藤前干潟代替処分場問題で、弥富町長が「名古屋市から話があれば聞く」と発言。
候補海域の地元が柔軟な態度を示したことで、交渉が近く始まる見通しが強まった。
だた、町長がこれまでの「拒否」を一転して翻したことで、地元関係者の間には余波が広がった。地元説明がない現状に不信感も出ている。
町長も、名古屋市だけでなく、県内の約50自治体のゴミを処分するという県の方針には、「大変なことになる」と慎重な姿勢も崩していない。
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