Last Update : 2000/ 1/ 4
 
「あいちの環境を考える仲間たち」のホームページ
 
★ 「ごみ有料化」を考える★
 
 

 
熊本一規先生を招き、お話を伺いました ★
 
 
<おすすめ本> ごみ行政はどこが間違っているのか
 
 
「家庭ゴミ有料化」って本当に効果あるの? ★
 名古屋市もゴミ有料化を検討中です。
 ごみ問題は「質の問題」だったはずなのに、最近、市民・マスコミの目は「量の問題」の方を向いていませんか? ゴミ有料化による消費者行動により「質・量の問題」「消費者負担の平等の問題」までもが解決すると言う有料化論者もいますが、消費者の何人がごみ処理費(ゴミ袋の値段)を考慮に入れ買い物をすると言うでしょう? また、廃棄&リサイクルコストのかかる商品を多く利用する人がごみ処理費用をたくさん負担するのが本当の平等です。生産段階で処理コストも加えた価格をつければ「質の問題」「量の問題」「消費者の処理費負担の平等」等すべての問題を解決します。企業は少しでも価格を安くするために、処理コストの安い素材を選択するようになりますからね。
 伊達市の隣の釧路市でも有料化が実施されるようですが、伊達市からの不法投棄に困っての取り組みでなければよいのですが・・・・・。
 
 
有料化の問題点ピックアップ
 
*** 新聞や書籍、頂いたメール、集会での意見をピックアップしました。 ***
 
ごみ問題は、処理困難物による環境汚染だったのではないのでしょうか?しかし、最近は量的なこと問題になってしまっています。「有料化」により、処理困難物が減るとは到底考えられません。せいぜい効果がでるのは、スーパーでの過剰包装が減るくらいでしょう。企業は利益追求が第1の目的ですから、より安い容器包装を使います。消費者も同じ商品が並んでいれば、より安い物を買うでしょう。商品の段階で処理コストを組み込むことが、一番の解決ではないでしょうか。
 
「有料化」は、増税だと思います。今まで税金で処理していたのですから。有料化するなら減税とペアーでして欲しい。介護保険の負担も増え、住民負担が増えるばかり。
 
「消費者だけ汚染者だ」と言わんばかりの「有料化」には、反対です。製造者責任とペアーで考えるべき。
 
○ごみ排出者(汚染者)として、公平な負担において「有料化」が有効とされています。しかし、環境に優しい物を使う人とそうでない人との不公平さはどこで埋められるのでしょう。本来、環境汚染度の高い物に処理費がかかるのですから、そのような商品をたくさん使う人が高額を負担すべきではないのでしょうか?商品に処理コストを組み込むべき。
 
○「有料化」で効果がでているといわれている自治体では、「有料化」だけでなく、様々な取り組みがされています。どこにも「有料化」が有効と言えるデータはないように思います。
 
○ごみが減れば、焼却炉や最終処分場が少なくて済むのですから、「有料化」は必要ないと思います。ごみ減量は、減税につながると思います。
 
○市民の意識を高めるために「有料化」が有効というのは、お金で市民を釣っているようでとても不愉快
 
○「有料化」を契機に、伊達市と伊達市周辺では不法投棄が多発した。この多発する不法投棄が皮肉にも減量化効果の一因であった。「有料化」導入を契機とする不法投棄が室蘭市など隣接市町村で多発し、苦情が殺到している報道が依然、新聞を賑わしている。現に伊達市役所では隣接市町村から数多くの苦情が殺到し、対応に苦慮している旨の聞き取りも得ている。
  漁協などが「有料化」に反対した理由の1つもまさに不法投棄の多発に対する危惧であった。不法投棄が海洋を汚染するなど環境面に及ぼす悪影響を危惧しての対抗措置であったし、不法投棄の続発で海洋汚染が進んだことは現地の新聞でも報じられている。        
 
○市民が行える有効な減量化手段のない有料化は、不法投棄を招くだけの可能性すらある。兵庫県のある町では有料化によって不法投棄が絶えない為、有料化を取りやめたという。さらに、ある町村が有料化したために、近隣の市町村や道路脇への不法投棄が増えたという例もある。                     
 
有料化してゴミが減ったというが、何故減ったのかを見る必要がある伊達にしろ大宮にしろ、最近ごみ収集を有料化したところは、周辺への不法投棄が増えているのです。
 
伊達市でも、有料化に伴うデメリットとして、不法投棄のほか焼却による煙害、悪臭が大きく取り上げられ、市民の中には怒りをもって抗議する人もいた。ごみ有料化に伴って、ごみ量が減ったとする市区町村の割合は意外に少なく約50%である。そのうえ、そのうちの半数今日の市区町村では同時に不法投棄が増加している。また「減量効果がなく、不法投棄が増加」の市区町村が1割程度存在する。
 
○自宅処理については<中略>有料化に切り替えた場合、生活防衛に基づく条件反射的反応として、市民が選択する最も確率の高い選択肢である。自家処理可能な地域だから、有料化による効果がでた。
 
伊達市におけるごみ処理要因を分析すると、まず自家処理では総世帯数12000戸のうち約70%を占める一戸建て住民のうち、約50%の世帯が厨芥の堆肥化、紙、木類の焼却を行っていた。有料化実施年の自家処置装置の売上台数の調査では、焼却炉が220台、堆肥化用のコンポスターが80台と急増した。        
 
伊達市の世帯の約70%が一戸建てであり、大都市に比べて自家処理が可能な世帯が圧倒的に多い。事実、約50%の家庭が自家処理を行っているという。    
 
○ごみ収集を有料化すると、ごみの量はいったん減るものの、3〜5年で再び増加に転じるケースが多いことが、社会法人全国都市清掃会議の全国調査でわかった。有料化がごみの減量に必ずしも結びつかないことを示しており、ごみ減量に向けた総合的な対策が求められている。ところが、実施3年後には、実施直前に比べて減少が42、増加が27自治体となり、5年後には、減少が26、増加が35自治体と逆転した。(257自治体回答)    
 
○地方公共団体などの先駆的な取り組みを紹介しつつ(1)廃棄物を排出する事業者の活動に処理コストを組み込み、家庭からでる一般ごみについても有料化を導入するなど、廃棄物リサイクルを産業として確立する(2)人口の都市集中と地域の過疎化で経済的、空間的に切り離された国土利用のあり方を見直す(3)ライフスタイルからエネルギーやもののムダをなくし、自然と調和させる――の三つの変革を求めた。
−毎日新聞−「大木浩環境庁長官、閣議に報告 「循環型社会」の実現訴える」1998.06.05
 
処理コストが各段階で負担されていれば、その多寡にもよるが異なった選択が取られることも考えられる。このことからも、廃棄物の処理経費が適正に考慮されていない現在の生産、流通、消費の在り方の問題性をかいま見ることができる。廃棄物処理の有料化に関する論議は、現在の使い捨て社会に対する問題提起でもあるといえる。 (平成10年「環境白書」)                 
 

 
このページのURL: http://www4.justnet.ne.jp/~mituko/
開設: 98/12/01 
問い合わせ先 : mituko@ma4.justnet.ne.jp