Last Update: 2000/ 1/ 2
99/12/27発行:「ゴミネット通信」50号より
〜 容器包装リサイクル法の今後 〜
平成9年から施行された「容器包装リサイクル法」もいよいよ3年がたち12年度からはペットボトル以外の廃プラスチック容器包装や紙容器包装も市町村の回収対象品目に加わってくる。11年度まではビン、缶、ペットボトル、牛乳パックが回収品目であったが、新たに2品目、それも非常に収集困難なプラスチックと紙器の登場である。各市町村の取り組みと今後の課題について述べていく。
★「容器包装リサイクル法」がこれまでに成したこと
容器包装リサイクル法(以降“容リ法”と呼ぶ)施行以降特色的なことは、ペットボトルが市町村の回収品目になったため、市町村にかかってくる費用負担が膨大に膨れ上がったこと。もう一つは、ペットボトルを製造しているメーカーとペットボトルを利用しているメーカー(例えばアサヒピール、コカコーラ等〉がペットボトルの再生にかかる費用の一部を負担することになった訳だが、しかしながら結果的にはその費用負担が不十分なため、生産量としては毎年激増し、その分ビン・缶が減少することとなった。リサイクルしにくい容器がかえって激増してしまった。
更に最近起こっている問題は、発生量の増加で最終的にペットボトルを再生する処理工場での処理能力が追いつかず、多くの市町村で圧縮減容されたペットボトルをストックヤードに積んでおかざるを得ない状態に陥っている。各市町村にペットボトルの収集処理を促進しておきながら最終処理能カに限界が出てきたということで、簡単に受け入れを拒否してしまう容リ法の内容にいささか首を傾げざるを得ない。
★ 廃プラスチック容器包装材の現状
現実に12年度から廃プラスチック容器包装の回収を開始する市町村はどのくらいあるのか。全国的にも少ないが愛知県内においても数市町村しかない。名古屋市が12年の夏から秋にかけて廃プラスチック容器包装及び紙製容器包装の収集処理を実施する予定である。他の数市町村では名古屋市同様12年度の途中から始めたり、発泡トレイのみの収集に絞ったりといったところぱかりである。なぜ法律で義務づけされているにもかかわらず、実施する市町村が少ないのか。実は12年度以降の容リ法における廃プラスチックの対応にはペットボトルをはるかに上回る問題を内包している。
廃プラスチックリサイクルの課題 以下に具体的な問題点を述べる。
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コスト
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廃プラスチック容器包装材の発生は、ペットボトルの5〜10倍ぐらいだと言われている。ビンや缶よりも比重の軽いものだけに収集運搬コストや中間処理(異物除去・圧縮減容)に膨大な費用がかかってくる。これら全て自治体負担となる。 |
受け皿
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最終的にどのようにリサイクルされるかが非常に不透明な部分がある。マテリアルリサイクル(材料として)、サーマルリ サイクル(燃料として)、ケミカルリサイクル(油化)等の処理があるが、いずれも受け皿として完全に確立されていない。自治体に向けての国の指導も受け皿によっては中間処理の形体が変わるかも知れないと言っているくらいだ。さらに、受け皿の工場が処理能力を超えてしまうようなことが起これぱ、ペットボトルの場合のように受け入れを拒否されるかも知れないという危惧が自治体にはある。 |
分 別
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廃プラスチック容器包装材にはさまざまな種類があり、それゆえにさまざまな問題がある。薬や塩素系薬物のボトル、チューブに入った容器(歯磨き・ねりからし等)は対象物にするのか。その他の容器(シャンプー洗剤等)はキャップを取り、中を完全に洗浄して住民は集積場に出すことができるのか。廃プラスチック容器包装材の対象物の定義は何か。あいまいで定義しにくいものがある。(例えぱ、アルミコーティングしてある菓子袋等)といった問題が山積している。ペットボトルの場合もリサイクルされるまでに、多大の時間と労力(コスト)がかかっており、最終的に繊維や卵パックに変身する程度である。廃プラスチック容器包装材は更に多くの時間とコストがかかってくる。おまけに最終的にはせいぜい結局燃料になり燃やされるだけである。ビンの材質のように半永久的にリサイクルさせていくことは不可能にしても、素材ごとに再利用していけるようなプラスチックリサイクルのシステムを構築することはできないのだろうか。
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★パネラー:河村たかし(衆議院議員)/楓 健年(愛知県消団連・代表幹事)
辻 淳夫(藤前干潟を守る会・代表)/岩月★コーディネーター:吉川
参加と言っても、パネラーの人たちや他の参加者の意見を聞いてフムフム・ナルホドと感心しながら、その内容についていくだけで私にとっては緊張の続いた3時間だった。デポジットや有料制については、そういう仕組みがあるということは知っていたが、それ自体にいろいろな課題があり、実現するにもまだまだハードルが沢山あるようだ・・・。
処分場がもうないということと廃棄物による環境汚染については、今すぐ何らかの策を講じないといけないはずなのに、それが出来ない理由の一つに法体系の問題があるということだ。法律がちゃんと機能していない、現実に合っていないなんて、何のための法律なのか。本来、法律は人のいのちを(人だけじゃなく、いのちは何のいのちでも大事なのは言うまでもないけれど)守るべきものなのに、政治的な駆け引きの道具になってしまっているとは!−−−−と声を大にして言いたいが、嘆いているだけではどうしようもないので、この法律をよ〜く研究して何とか利用できるといいと思う。それに、法律をもっといいものにしないといけない。でも、どうやって?
モラルとボランティアに頼っていては、もう解決にならないという発言もあったが、これはよく分かる。というのも、こういう討論会や学習会に参加する人はまだ少数派で、自分の回りや住んでいる地域の中でもごみや環境の話をすることの出来る人はほんのわずかしかいない。「そんなことして何になるの?」と言われる事すらある。モラルの向上をあきらめてはいけないけれど、こういう事実を認めた上で、ごみを減らすと家計の支出が減る仕組み・誰もができるような、参加しやすい仕組みを作っていくことがやっぱり必要な気がする。
環境先進国といわれるドイツや他の先進的な地域での実態や市民の活動について、もっと詳しく知りたい。国民性の違いとか生活習慣の違いもあろうが、、ゴミ減量をどうやって実現してきたのか、法律や市民の意識、行政の取り組み等、学べるところは学んでいくべきだと思う。日本でも応用できることがあるのではないだろうか。違いは違いで研究することによって、地域の実情に合った仕組みを考えるヒントにもなるのでは?
デボジット、リサイクル、有料制等々、ゴミを巡る問題は、本当に多岐に渡っていて、頭がこんがらかってくる。個人的には、飲料容器のデポジット・再利用をすぐにも実現してもらって、毎月の資源回収日に山のように集まるペットボトルのフタを取って、つぶして袋に詰めるという作業から解放されたい。というのも、私はペットボトルは買わないから。何で他人の買った物の後始末をやらなきゃならないの!というのが正直なところ。ペットポトルで儲けているメーカーに文句を言いたい。こんなふうに頭にきてるのは私だけかな?
次回以降、ごみ減量のため現実にどんな仕組みを作っていくか、具体的な提言がとことん討講会の議論から出てくるといいなと思います。
<瀬戸市〜長久手町を見学して>
平成10年6月の廃掃法改正後、全国で最初に許可が下りた処分場が瀬戸市で建設中であること知り、11月13日、岩月とともに見学に出かけた。当日の天気は良好。海上の森にもはじめて立ち寄り、澄んだ冷たい空気を肺と皮膚でしっかり感じ、「これっ、こわしちゃいけない」と体で思った。
【 地元の関心もなく、すんなり許可−瀬戸市 】
建設中の処分場は、南から北へ海上の森を通り抜けたすぐのところにあり、そこには別の処分場、陶土採掘後に埋め戻されたと思われる不自然な形の高台、赤土のむき出した斜面など痛々しい風景がみられた。
施設の許可内容は、産業廃棄物管理型最終処分場
面積:9万8000平米/容積: 14立米/品目: 汚泥・がれき・ガラスくず・陶器くず
98,000uというと、横100m×縦980mの敷地面積ということになる。そして、今まで見たこともないほどの深い穴が掘られている最中であり、廃棄物で埋め尽くされた風景を想像すると恐ろしい気持ちになった。法改正により、業者による環境アセスの実施、そして住民には縦覧が認められ、意見書を出すこともできるようになった。しかし、寂しいことに意見書の提出は0通。何事もなくすんなりと許可は下ろされたのである。
このほか市内の処分場も見学したが、あたりに悪臭が漂う処分場もあり「自然を壊すな!」「里山を守ろう!」「海上の森を守ろう!」と、万博開催に警鐘を鳴らす運動の傍らに大きな乱開発と廃棄物による環境破壊をみた思いであった。
【 愛知のグランドキャニオン−長久手町 】
20人もの逮捕者を出した青少年公園近隣の不法投棄現場。プラスチック・建材・焼却灰・汚泥・・・様々な物を埋めたという。現場は、すでに廃棄物は殆ど撤去された状態ではあったが、焼却灰と思われるどす黒いものや焦げたプラスチック類が点在していた。県は、水たまりの水・近くの川の水質調査を実施したそうであるが、基準のない物質についての調査は無意味としている。私としては、本当に大丈夫?と首を傾げたくなった。この辺りも土取りが盛んで、土取り跡の穴の壁は段々の絶壁状態で「愛知のグランドキャニオン」の命名がぴったりの地形であった。以前から埋め戻しに産廃が使われているのでは?という噂はあったようだが、やっとの摘発であった。
【 感 想 】−−−法の実効性への疑問と市民としての役目
500万人の飲み水を守ろうと、岐阜県の御嵩産廃に多くの人たちが「No!」と叫んだ。支援した。しかし、地元愛知での処分場問題への取り組みは少ない。産業の多い愛知は大量の廃棄物排出県でありながら、岐阜・静岡・三重では愛知県より行政が厳しい姿勢を取っているためか、廃棄物が流れ込んできている側面もあるように思われる。ここ数年で法の整備は確かに進んだが、その法が守られているかを確認する手段が少なく、威力を発揮しているとは思えない。現行法の下では、そのチェック部分を私たち市民が担わざるを得ない。長久手での不法投棄の件も、市民からの通報がきっかけで県警の24時間張り込みにより摘発することができたそうである。個人からの通報で、大きなゴミ汚染を防ぐことができた実例である。が、現場を訪れるたび、主婦としてのゴミ減量の努力をむなしく感じてしまう。
【 煙が2キロ離れた桃花台ニュータウンへ−小牧市 】
愛知県の産業廃棄物問題はかなり深刻だということは、以前にもお知らせしましたが、会員のTさんから「案内しますよ」と誘われ、小牧市の大草地区を視察に行ってきました。不法投棄を含め、一般廃棄物・産業廃棄物が集中している地区で、3年ほど前から気にかかっていた所です。大草地区内にある桃花台二ユータウンに住むTさんによると、地区内の焼却施設と野焼きの匂いに悩まされるとのこと。最大の元凶はここと彼が案内してくれたのは、小枚市と春日井市の境界沿いにある焼却炉。10メートル程の丘の上にさらに10メートル程の高さの工ントツがそびえたち、もうもうと煙を吐き出している。しかも場内で野焼きも同時に行っている始末。この煙が2キロ程離れたニュータウンにやってくるのだそうです。境界線の春日井市側は大きな墓苑。火葬場もある。いわゆる迷惑施設というものが集中した地区なのです。墓苑の側から接近。焼却炉の脇に高さ5メートル程のコンクリート屏を建てて、場内を隠している。屏のこちら側は春日井市のものとは別の民間の墓苑が分護中で、その脇がトラックの出入り口。谷間を産廃で埋め立てて敷地を拡大しているようで、墓地も理め立てた跡地の可能性があります。その向かい側にも大きな産廃の山が連なり、山の上で重機がさらにコンクリートがらを積み上げる異様さ。民家に隣接した焼却施設は真っ黒な煙を吐き出し、健康被害が心配です。ニュータウンをはじめ新興住宅の新住民が全く関心を持たない、声を上げないのが一番の問題と言うTさん。住民がおとなしい、新旧住民が一緒になりにくい所を産廃はねらってくるようです。(岩月)
【 住宅密集地に産廃最終処分場の建設計画が!−岡崎市 】
<< 岡崎市細川町産業廃棄物最終処分場建設計画について >>
この問題点や現況、経過を分かる範囲でお知らせします。
[問題点として]
@第1種住居地域の住宅密集地で、しかも中学校に隣接し、幼椎園、商店街にも近い場所である。
A当初はゴルフの練習場造成計画で申請されていたものが途中で、産業廃棄物埋め立て処分場に変更された。この経緯が不明確。計画倒産の疑いもある。
B造成中に産業廃棄物が不法投棄されているが、その中身や投棄原因の調査がされていない。再発防止の処置も取られていない。完全に廃棄物が撤去されたかも不明である。
C不法投棄の影響と思われる、鉛の溶出量が国の環境基準を大幅に越えていて、計画地内で地下水の汚染が始まっていると予測される。(原因究明と対策こそ先にすべき)
D事業者の資本が小規模で、倒産した時の保証がない。(不法にゴミの新山を作り放置された例は多い)
E埋め立てられる予定ゴミの安定5品目の中に、廃プラスチックが含まれているので、環壊ホルモンによる影響が心配される。
F水源地に計画されている処分場であり、汚水は川に排水しないことになってはいるが、設備が簡易で心配。処分場の下の北斗川は矢作川の支流で、下流には六供浄水場の取水口がある。また、処分場の山の向こう側には巴川が流れ、仁木浄水場の取水口や地下水を汲み上げている井戸もある。地下水は下で繋がっているので、岡崎市民に及ぼす影響は大きい、等々。
[現況と経過]
10月に提出された関係住民の意見書、市長意見書を参考に、愛知県廃棄物処理施設審査会議で検討するという。年明けに2回目が開かれる予定。細川町では、住民あげて建設反対の運動を展開中で、11月には、代表が環境庁や厚生省へ陳情に。また、一昨年に続き今年も、地元住民9000余名の反対署名が集まっている。昨年、建設反対の請願が市議会で採択されている。岡崎市農業委員会も、農地を処分場に転用することを認めないことを決定している。
−こんなに反対があるのに、法的手続きを満たしたとして、処分場計画は許可される恐れがあります。
(愛知県・静岡県の条例から)
静岡県福田町の会員の方から、家庭焼却の規制についての「広報誌」を送って頂きましたので、愛知県と静岡県の条例について調べてみました。
愛 知 県
「公害防止条例」 |
静 岡 県
「静岡県生活環境の保全等に関する条例」 |
@ゴム A合成樹脂 B皮革 その他の燃焼により,ばい煙又は悪臭を発生させる物質を多量に燃焼させてはならない。
(例外)
・焼却炉の使用、ばい煙悪臭を最小限にする方法で燃焼させる場合。
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@ゴム A合成樹脂 B油 C紙 A木材(伐採木を含む) E皮革 F布 G厨芥類 を屋外で焼却させてはならない。
(例外)
・廃掃法に基づく施設での焼却
・農林業の作業に伴う燃焼行為(ゴム・合成樹脂・油を含まないものに限る)
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静岡県では、指定物質の焼却を禁じており「廃棄物・ダイオキシン・有害物質」問題を念頭に置いた条例と言えます。それに比べ、愛知は「健康被害」の観念がなく、ここでも立ち遅れがみられます。(静岡:平成10年4月施行)
このように愛知県の条例整備の遅れから、市町村で「燃焼行為についての条例」を制定するところもあります。
(例)「豊明市屋外燃焼行為の規制に関する条例」
・廃棄物を焼却設備を用いず焼却してはならない。ただし、たき火等軽微な燃焼行為及び一時的、伝統的な燃焼行為を除く。
・著しくばい煙、悪臭又はダイオキシン類の発生する物質を屋外において燃焼させてはならない。
( 吉 川 )
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12/15、ゴミネット会員5名の参加で、県の廃棄物対 策課と懇談会を開催しました。処分場・環境ホルモン・ダイオキシン問題など各地の情報や疑問を持ち寄り、意見を伺いました。報告は、次回の通信に掲載します。ゴミネットでは、各地の情報を集めています。些細なことでも結構ですので、お寄せ下さい。県との懇談会の持ち方についても、1月の会員交流会で話し合う予定です。是非、ご参加下さい。
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第30回愛知県消費者大会/環境分科会からの報告99年11月5日(金)
ダイオキシン、環境ホルモンなどゴミによる環境汚染の深刻さが増し、廃棄物処理法の改正やリサイクル法の制定もされました。しかし、ゴミは減りません。さらに、ゴミ処理費の有料化を推進する動きがありますが、有料化ではたしてゴミの減量や汚染問題は解決できるのでしょうか?
1、税金負担の問題
ゴミが減らない最大の原因は、企業に処理費の直接負担がない、生産が野放しにされていることが最大の原因。廃棄までを含んだ生産になっていないのが最大の問題点。税金で処理されているから、ゴミになりにくいもの、リサイクルしやすいものを作ろうとしない。税金で全て処理するのはもう限界。
2、有料化で解決できるのか?
ごみ処理費を直接徴収する有料化には、2つの方法がある。指定袋制と従量制。有料化はゴミの減量と不公平の是正になると言われているが本当だろうか?環境庁の調査で、有料化で減量した所は50%、変化なしが50%。減量した所の50%のうちで、不法投棄が増えたが25%、変化なしが25%.減量も不法投棄も増えなかった、つまり効果があったのは全体の25%にしかすぎない。しかも、効果があったという出雲市と伊達市は、家庭焼却炉への補助を行っていた。可燃ゴミしか減っていなかった。周辺の市町村や民有地、海などへの不法投棄も、不法投棄として数えられていない。(家庭焼却は問題。ドラム缶程度のもの4つで、中規模の焼却炉のダイオキシン発生量に相当。)つまり、物の生産と消費量は変わっていない、ゴミの発生量も減っていないのに、処理量が減ったように見えるのは、ただ行政回収には出さず、家庭焼却と不法投棄が起こったから。しかも、2〜3年しか効果ない。水道料金と同じ受益者負担の原則により、ゴミの量に応じて処理費を取れという理論は問違い。上水は正の財、下水は負の財。ゴミは下水と同じ負の財。水道料金は上水と下水合わせて徴収。これを分けて微収すれば、下水の不法投棄が起きる。ゴミも、商品という正の財を購入するときに、処理費やリサイクルコストを払うシステムになると、不法投棄は起きない。負担の公乎さにもつながる。商品価格に上乗せされることで、処理費やリサイクルコストのかさむものから、そうでないものへと生産が変わる。商品価格に上乗せして払うのと、市町村に処理費を払うのと、消費者が負担するのだから同じだと勘違いしやすいが、それは全く異なる。ごみ処理費の有料化では、ゴミ質に応じて処理費を徴収することが現実不可能なので、生産は何ら変わらない。
生産段階が変わらない限り、ゴミは減らない。よって、有料化でゴミは減らない。
3、処理費用を事業者に負担させる
ドイツでは、市町村が容器包装材を回収しないという実力行使を行った結果、デュアルシステムが実現している。事業者負担で回収・リサイクルがされる。市町村と民間の二つの収集があるため、デュアル(二重の)システムと呼ぱれる。回収・リサイクル費用は、事業者が払う緑のマーク使用料て賄われ、商品価格に上乗せされている。背景には、生産から廃棄に至るまでの環境への影響に対し、生産者は責任があるという「拡大生産(製造)者責任」EPRの考え方がある。税金による処理も処理費の有料化も住民負担であり、消費者負担ではない。事業者負担か?消費者負担か?の二者択一はおかしい。生産から廃棄までがコスト化され商品価格に上乗せされることで、市場の内部化、市場革命が起こる。最終的には消費者負担になるが、生産者負担を経由した消費者負担であることが必要。
4、くEPR>とくPPP>とは何か
●PPP「汚染者負担の原則」は、1972年、OECD(経済協力開発機構)の勧告によって打ち出され定着した概念。公害をたれ流して安上がりに作られた生産物が、国際競争で有利になるのは不公平。公害の除去費用や防止費用を生産者が負担し、価格に上乗せし、公平に国際競争に参加すぺきだという考え。生産段階の公害を対象。日本における「汚染者負担の原則により、一般ゴミの排出者、汚染者は家庭だから、処理費用は家庭が負担すぺき」は、事業者負担を免れるための意図的な曲解である。
●EPR「拡大生産(製造)者責任」1994年、OECDで検討が開始された。生産から廃棄過程に到るまでの環境への影響に対して、生産者に責任があるという考え方。処理やリサイクルがしやすいように、材質や設計に配慮する責任があるという概念。廃棄物処理、リサイクルを念頭に作られた概念。「消費者は商品の有用性を買っただけで、使い終えたものの所有権は依然として生産者にある」と考えられている。廃棄物処理の費用負担は、市町村と住民(一般納税者)から、事業者と消費者のほうへ転換する、製品価格に上乗せするということ。
5、日本ではEPRは全く実現されていない。
「日本でも容器包装リサイクル法、家電リサイクル法ができて、EPRが実現している」と、国や業界、御用学者や市民などは盛んに宣伝しているが、全くのウソ。容器包装リサイクル法では、市町村が回収と分別、保管というリサイクルの大半を税金で行うことになっており、従来のごみ処理と何ら変わらない。事業者負担はほんのわずかである。ある調査では500mlのガラスピン1本あたりの負担は、市町村が34円事業者0、2円と出ている。事業者負担はわずか0、6%でしかない。スチール・アルミ缶においては、全く事業者負担がない。さらに、再生よりも再使用を優先する規定がない。回収されたものや再生資源の利用が事業者に義務付けられていないので一方的に生産・販売する従来の流れと変わらない。リサイクルの輪がつながらない。
容器包装リサイクル法にはこんな問題点も
この法律に基づいてリサイクルするかどうかは市町村の自由。実施する市町村の回収見込み量についてのみ、事業者は費用負担することになっており、全生産量に対する負担ではない。例えば、ペットボトル1本に対する事業者負担を仮に10円とする。回収見込み量が3割だと、事業者負担も3割だけで、1本当り3円で済む。しかも、見込み量以上に回収されたものは引き取らなくてもよい。(全生産量に対しての1本当たりの費用負担を計算すると、業者にとっては痛くも痒くもない負担となる)
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家電リサイクル法でも、廃棄するときに消費者が処理費を払うことになっており、価格にはいっさい反映されず、生産に何ら変化をもたらさない。ゴミの有料化と同じくおかしい。不法投棄と、消費者だけが負担させられるという問題がある。ただ、容器包装リサイクル法より少しましな点は、処理費の算定に役立つ、製品の長期使用につながる可能性があること。以上、日本ではEPRは全く実現されていない。
6、事業者負担を経由した消費者負担、EPRの実現を
日本のリサイクル法は、行政・市民・事業者の役割分担論によって、事業者負担を一番軽くして骨抜きにした。ヨーロッパは「汚染者負担の原則」PPPから「拡大生産者責任」EPRへ進み、ごみ処理は市町村と住民の責任から、事業者と消費者の責任へと移行している。生産から廃棄までをコスト化し、商品価格に上乗せさせ、市場革命を起こすことがポイント。ゴミは負の財であるという認識に立って、モラルのない人も巻き込むようなシステムを考えることが重要である。
*** まとめ ***
@有料化で生産は何ら変わらず、ゴミは減らない。
A有料化は家庭焼却と不法投棄を招く。
B事業者を経由した消費者負担が優れている。
Cごみ処理は事業者と消費者の責任へ、コストは商品価格上乗せ。
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*** Q&A ***
Q1:「拡大生産者責任」EPRを市町村て実現するにはどうしたらいいのか?
A1:国として制度化してやるのが基本。市町村レペルでは、適正処理困難物に条例 で指定し、回収しないという方法がある。地方もやれること、積極的にやる。
Q2:価格に上乗せされたコストはどのように使われるのか?コストの明示は?
A2:上乗せ分は明示させたほうが良い。回収は市町村がやってもよいが、回収費はその中から事業者が市町村に払う。処理は事業者がやるほうが良い。
Q3:デポジット制度の間題点は?
A3=回収効率を上げるには役立つが、リサイクルがうまく行くかどうかは別。リサイクルにも色々な形があり一部分については有効。散乱ゴミの対策には有効。
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(株)ヤマナカ |
(株)ダイエイ |
ジャスコ(株) |
松坂屋ストア |
ユニー(株) |
1).調査された県下店舗数は?
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57店舗
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全国ベースの回答
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18店舗
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9店舗
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140店舗(愛知・岐阜・三重)
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2).塩ビフィルムを減らす方針を持っていますか? |
はい
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はい
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はい
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はい
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はい
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<具体的方針・計画は?>
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今年、2店舗の試行。
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店内加工用ラップの非塩ビ系への切り替え拡大。
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インストアパックについては、ポリエチレンに切り替え済み。 |
今年、1店舗モデル店として実験中(ポリオレフィン)
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新店舗では、全てポリオレフィン系ラップを使用。 |
来期は全店普及の計画。
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販売用ラップも非塩ビ系への切り替え拡大。
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取引先・メーカー等が使用するラップについては規制は行っていない。 |
塩ビを使用しない方針へ。
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既存店舗では塩ビ使用だが、ポリオレフィン系に切り替えた店舗もある。 |
3).貴社でパック包装に使われているラップフィルムの材質と量は? |
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<愛知・岐阜・三重のデータ>
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<塩ビ>
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99.0% : 191トン |
20.0% :
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80.0% :
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95.0% : 285トン |
<ポリエチレン> |
1.0% : 9トン |
80.0% : |
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<その他>
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100%(ポリプロピレン)
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20.0% :(ポリオレフィン)
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5.0%:15トン(ポリオレフィン) |
4).「自社内パック商品」:「パック済み入荷商品」の割合は? |
90% : 10%
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把握していません。
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20% : 80%
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40% : 60%
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90% : 10%
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5).問屋やメーカーへの塩ビ以外の物への切り替えの働きがけをしていますか?
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はい
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はい
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はい
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いいえ
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はい
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反応は?
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コストの問題もありますが、前向きに検討していただいている。一部テスト中。
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多くの取引先が理解を示す。
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前向きに考えている。
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特に支障はないが、即座に変更はできない。資材の安定供給を図りながら、順次切り替えていく。
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6).商品として販売しているラップの素材は?割合は? |
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<塩ビ> |
53.8% |
67.0% |
60.0% |
100% |
70.00% |
<ポリエチレン> |
45.3%
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33.0%
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なし
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なし
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<その他>
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0.9% (ポリオレフィン) |
なし
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40.0%
(ポリプロピレン) |
なし
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10.00%(ポリオレフィン) |
7).今後も塩ビフィルムの販売を続けますか?
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はい
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はい
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はい
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はい
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はい
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消費者の要望があるため、すぐに中断することは難しい
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しかし、ポリプロピレン・ポリオレフィン素材の商品を併売していく予定 |
順次、ポリオレフィンに切り替えていく。
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<自治体挙げての塩ビ製品追放の試み>
@水道管に使われている塩化ビニール管は、新しく工事をする段階から鋳物管に。
A市役所,市立保育園などで使っている塩化ビニール製品(事務用品,おもちゃ,ラッ プ)を非塩ビ系に。
B市の広報誌でダイオキシンの発生原因につながる塩ビ製品をイラストを使って身の回りから減らしていくよう市民に呼びかける。(12/14発表)
このページのURL: http://www4.justnet.ne.jp/~mituko/
開設: 98/12/01