『環境とダイオキシン』 − どうすりゃいいの?塩ビ製品 − |
ダイオキシンは炭素・酸素・水素・塩素があればできる可能性があり、分解すれば身の回りにある元素ばかりである。また、日本のダイオキシン対策は遅れ、コプラナPCBに関しては、WHOが97年8月にダイオキシン類と認め世界的には含めて考えられているが、日本ではダイオキシン類として認められていないという現実がある。 |
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★ダイオキシン発生源は、塩ビだけでない。塩ビをやめてもダイオキシンは出ると業界は述べられて いるが、しかし、塩ビがあればもっと出るということでは? ★塩ビはそれなりにリサイクルされている。リサイクル率は30%と言われている。しかし、大量生産され、分別できる状態にもなっていない。表示が入っていない以上、リサイクル外のものからのダイオキシン発生をどう捕らえるか? が問題。 |
厚生省は、水道中の環境ホルモンを調査中である。水道水汚染と一口で言っても、 水源から蛇口(水源・上水道・配水管・給水管)までのどこの段階で混入されるかのきめ細やかな調査が必要である。また、下水放水場は、バクテリアに汚物を食べさせる(生物が生物を食べる)しくみであるから化学物質が流れ出るのは当然である。飲み水の安全は、技術だけに頼るのではなく川や地下水を守るしかない。上下水問わず技術には限界がある。 |
文部省から学校に対し、小型焼却炉を一切自粛せよとの強い指導があったが、他省庁からは通達は出なかった。しかし、文部省管理下でない保育園等はよいのかということから4月1日、公共施設すべて焼却禁止を徹底することに決めた。塩素無しのプラスチックはダイオキシンは発生しないが、見分けがつかないことから、一般市民に対しては、プラスチック一切燃やさないよう広報で徹底している。 結果として急激にごみが増え、一人57g減量の運動を展開し、「市民生活の中で出たごみをどうするかではなく、ごみを出さないにはどうするか、ごみになる物を作らない。」ことを市民・スーパー等にも啓蒙している。また、一般ごみについては、自治体の責任で行うよう法では定められているので、塩ビも処理している。 |
塩ビは、昭和25年から使われている。50年間に於いて、モノマーの公害問題(昭和40年後半)以外に大きな問題は起きていない。10万人が塩ビに関与している大きな業界である。ダイオキシンの発生も焼却管理が大きなポイントである。 |
環境ホルモン作用についての調査に力を注いでいる。企業としての情報開示をし、消費者との話し合いにより企業として何をすべきか考えていく必要がある。生産高の3割をリサイクルしているが、営利目的が企業であるのだから生産性を保ったなかで、持続可能な同じ物に戻すリサイクルを行っている。自分の市場に戻しているので経済システムから考えてもおかしな現象を生むことはない。他の物に戻すリサイクルは良い結果は得られない。 |
母乳やプラスチック製品など消費者として不安が大きい。塩ビに対しては「表示をして欲しい」「危険な物は作らないで欲しい。ダイオキシン発生の一因なのだから作らないで。」「身の回りにある塩ビ製品、どうしたらいいの?」という気持ちである。リサイクルすればよいということで、大量生産・大量消費のシステムが続いている。このシステムを消費者として変えていかなくてはいけない。行政は、「焼却・埋立て」方式にたよったゴミ処理を考え直し、行政・住民・企業がお互い情報公開し、力を合わせていく必要がある。 |
ダイオキシン・環境ホルモン上の事実は、生物界の事実からスタートしている。人間にとって安全性がわからないときに、わからない物は安全(危険性が立証されないから安全)とするか、危険が推測される物は安全性が確認されるまで危険な物として扱うか、ということである。医師の世界での考え方は、「感染していないと証明されるまでは、感染している可能性があるとして取り扱いをしなさい」である。そうなると、ダイオキシン・環境ホルモンは? (中川氏) |
どのような燃焼の仕方をするのかが問題である。炉の構造等が大きく影響する。マテリアルリサイクルが優先されるべきである。塩化水素ガスを回収するリサイクル(ケミカルリサイクル)も行われているようであるが、ガスを安全に回収できるのか?という疑問が残る。危険性の少ないのはマテリアルリサイクルであり、「塩ビ容器から塩ビ容器」であると思う。ペットボトルから洋服というのも、日本人は何着洋服をもてばいいのかという問題になる。(中川氏) 回収容器から回収容器を作った場合やペットボトルのリターナブルをした場合、日本人にあっているか?という問題があるし、農業用ビニルにしても日焼けによる変色により技術的に元に戻すのは無理である。グレードの低い物に戻すしかない。ケミカルリサイクルは、塩素を取り出し、水でたたけば塩酸になり、残りはコークスとして、高炉還元剤として使用できる。塩ビは300℃以上で簡単に分解するので、塩ビは大変リサイクルしやすい。他のプラスチックは300℃では分解しない。(塩ビ業界) |
塩ビ業界として、リサイクルによる受け皿作りは必要であり、開発中である。塩ビ系の産廃をこれらの施設へ持ってきなさいと言うことはできる。特に建築廃材には、複合素材・耐久消費財が多くやっかいである。まだ手つかずであるが、できるところからということで対処している。 |
1.ダイオキシン・内分泌攪乱物質問題に関心を持ち、一人一人が学習しよう。 2.消費者として、分別回収の努力をしなくてはならない。 3.行政に対しては、システム作りや環境問題への取り組みの働きかけをしよう。 4.デポジット制度導入が、ダイオキシン・内分泌攪乱物質問題の解決につながる。 導入に努力しよう。 5.環境に関しての法体系が未整備である。関係方面への働きかけをしよう。 6.塩ビ業界の努力を多としながらも、マテリアルリサイクル率の向上・分別収集のための成分表示等、業界の責任として一層の努力をお願いしたい。 7.産廃問題は、消費者として関係のない問題ではない。産廃により被害にあわれている人たちへの理解・支援をしていこう。 8.藤前干潟を守り、処分場にすることに反対しよう。 |