Last Update: 1999/04/19  

99/04/12発行:「ゴミネット通信」47号より
 

 ダイオキシン・ゼロをめざすよう求める署名」提出と
  4省庁との交渉に参加して
      −(厚生省・環境庁・農水省・労働省)−
 




 吉川 三津子
 
 3月18日、衆議院第2議員会館で、関東・関西・九州・中部のダイオキシンネットワーク合同で、4万3千名の署
名の提出と省庁交渉が行われた。所沢や能勢からの参加者もあり、活発な意見も出たが、危機感のない回答が繰り返された。
 
「ニュースステーション」報道がきっかけの所沢騒動について
  = 国は守ってくれない。農民の生活と健康 =
 

 



















 
 農水省は、「来年度から、露地物の野菜を中心に全国調査をしていく」と前向きな回答はしたものの「生産者が不利益を被ることになってはならない」と、情報公開には難色を示した。これに対し、「それを食べる消費者は一体どうなるのか。その立場も考えて欲しい。」とネットワーク側から反論。生産者への不利益と消費者の健康問題、どちらが大切かは歴然である。また、農業従事者への補償についても「汚染源負担が基本である」とし、健康面でも「農業従事者は事業者が多く、労働省の管轄外。
一人の人として厚生省の管轄になる」と、労働省は発言。
 今回の大きな争点は、所沢ほうれん草のダイオキシン濃度に対し「直ちに人体に影響なし」と厚生省が見解を出し、すぐに農水・環境が追随したこと。厚生省の言い分は、「TDI(耐容1日摂取量)を10pgとして、いろいろなものを平均的に摂取した場合、ほうれん草1g当たり0.73pgならばTDIの範囲内である」というのである。これに対しては、ネットワーク側から批判集中。「大気や土壌も高度に汚染されている所沢では、それはあてはまらない。バックグランドが考慮されていない」「WHOの新基準(1〜4pg)ではどうなのか」「ダイオキシンの慢性毒性を考えていない」など意見が出され、行政側は答えに困る場面が続いた。
 また、「食べて大丈夫の中川農水大臣のパフォーマンスは、"急性毒性はない"のパフォーマンスであり撤回すべき」「テレビ朝日だけ避難されるのはおかしい」の声も出た。
 産廃が1カ所に集中しないなどの立地規制について厚生省は、「国の統一的な規制は難しいので、地域への生活環境への影響が配慮される事となっている」と、責任を自治体に。ダイオキシンの発生にはゴミ発生量の抑制が不可欠であるが、「ゴミの発生抑制計画は自治体の役割」と答え、これもまた責任は自治体と。
 
 はじめて参加したが、産廃施設が1地域に集中してつくれる法の不備や、対策の遅れを棚に上げた行政の回答には驚きであった。所沢や能勢など世界から注目されるほどの汚染があるにもかかわらず、国の姿勢がこれでいいのか!と苛立ちをもおぼえた。6月に厚生省から新基準のTDIが発表される。厚生省から「WHOは、4pgを当面の値、1pgを究極的な値と定義している」とWHOの新基準について説明があった。我が国のTDIは、果たしてどこに落ち着くのであろうか?
 (日本の現在のTDIは、厚生省=10pg、環境庁=5pg)





 
 
4省庁への主な質問と回答
 
Q.ダイオキシンの摂取量削減と国・都道府県の責任について
@食品の基準を設定すべきではないか?
A汚染を放置してきた国や都道府県の責任で被害補償を行うべきではないか?

@


A
 
厚 生 省農 水 省
個別の食品について設定する必要はない。
 
食品の調査は以前からしている。調査の結果が経済的に影響するので、公表は慎重にすべき。


 
汚染源が負担すべきが基本である。
保証を農水省が負担することはおかしい。運転資金や扱う店舗(所沢野菜)へのお願いはできる。





 
 
Q.ダイオキシンの排出削減について
@ごみの発生量削減、脱焼却、脱塩素、脱塩ビを基本にすべきでは?
A大気・水質・土壌の環境基準を設定し、施設・地域に対する総量規制を導入
 する等、排出規制を強化すべきでは?

@

A



 
厚 生 省環 境 庁
塩ビとダイオキシンの関係は明確ではない。調査研究を進めているが、施設の管理運用が大切。
 
施設付近での人体への影響を調査中。



 
土壌については、農産物への影響は疑問である。子供の遊び場についても、ドイツがどのような考えで設置したかを調査中。水質は、調査結果をふまえて基準値を設定。排水は、ゴミ・アルミ・紙パルプ・塩ビ等工場を調査中。







 
 
Q.労働者の安全対策について
@ごみ焼却場などダイオキシン発生源やその近くで働く労働者への保証と対策は?

@



 
厚 生 省労 働 省
労働省と共に調査していきたい。



 
農業従事者については、ほとんどが事業者であり、労働省の管轄外。
労働者については、昨年7月に県を通して指導している。労災請求の場合、疾病と業務との因果関係を調査していきたい。





 
 

 
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