あまごみ情報2000年

2000年11月14日

三重中央開発 汚水漏れについて(現地からの情報)
◆11/13午前中に、三重県上野市予野字鉢屋の三重中央開発産廃処分場(約15hawで安定型、管理型)から汚水が流出しました。

◆操業は午前8時半。
同処分場内にある中間処理施設(中和施設で一日処理量46トン)の処理タンクから焼却施設及び汚水処理施設に送水するパイプの接合部がはずれ汚水が流失。

◆従業員が発見したのが10時半。12時過ぎに予野区長のところへ走り、その後上野市と三重県に連絡した。

◆対策をとったのが1時半から。いつから漏れていたのかは不明。発見時にとりあえず中和施設の電源スイッチを切ったそうである。

◆3時前に現場に行ったときの様子は、予野川へ流入する地点から上流300Mに臨時の堰堤を築いて、たまった汚水をバキュームカーでくみ上げる作業をおこなっていた。汚水は、白い泡に覆われてあり、水そのものも白濁していた。予野川では、魚がうきあがったり、フラフラ泳いでいる状態で、少なくとも数十匹は死んでいるのが確認された。白い水については「中和処理の際に使用しいてる石灰ではないか」と、応援にきていた作業員が話した。

 対応が遅く4時半時点でもバキュームカーが処理をつづけていた。もうそのころには下流の高山ダムに汚水が相当流入した後と考えられる。この高山ダムから月ヶ瀬村が簡易水道を取水。さらに下流へ下れば、奈良市、京阪神間の水道水源が集中しており、飲料水への影響が心配される。

 流失した汚水の中身は「食品工場の終末処理水、機械工場、自動車部品工場の処理水なども含まれている」と社長と所長は語っている。

 なお、周辺住民は今晩8時に集合して、説明を求めるとともに、操業中止を呼びかけている。

◆以下、説明会の様子

1) 漏れたのは中和処理したあとの「処理水」ではなく、「未処理水」である。
  はじめ三重中は処理水であると主張していた。

2) 「未処理水」を処理施設に揚水するパイプの途中でジョイント部分が外れた。
  このパイプについては、現地に行ったときに、タンク車が止まって作業をしているのを見たことがある。かなり古くなっている感じだった。

3) 酸・アルカリの処理といっても、酸とアルカリを混ぜて「中和」させ、それを焼却炉内に噴霧して、一緒に燃やしてしまうという、まことに乱暴な「処理」。これを処理というのだろうか。こういう「処理」が現在の生活を支えていることを考える必要がある。松下の廃液も来ていたという。

4) 酸にもアルカリにも、電気工場・金属加工工場などのさまざまな液剤が搬入されていた。したがって、有機系の酸・アルカリが含まれていることが当然考えられ、燃やすと何が発生するか予想もつかない。また、酸・アルカリそれ自体には有機物が含まれないとしても、その酸・アルカリを使ってなんらかの工程を経た廃液をもってくるのだから、その中に重金属類そのほかの有害物質がどれだけ含まれているか予想できない。  

5) 昨夜は11時30分ころまで説明会が行われた。確認されたことは酸・アルカリの処理部分については、住民の納得がえられるまで当面操業を中止する。

6) 上野市長も来ていた。かれは地元との公害防止協定を三重中に守らせると約束した。

7) 三重県は廃棄物対策課がきておらず、住民から強い批判を浴びた。

8) 三重県の対応を追及すると、三重中があせるという情況があった。住民が三重県の対応を追及しているとき、突然、三重中の社長が中央に出て、そういう暴力的なものの言い方はおかしいと言い出した。これは住民の県への追及が厳しいと、措置命令などの厳しい処分が
  でるのを恐れたことかもしれない。

9) 三重中社長・上野市長までくるという対応に、この件にたいするかれらの危機意識の強さが伺われる。

10) 行政側が事故の広報を全く出来ていなかったことが追求された。事故に気がついてあちこちに通報してまわり、周辺住民に注意を促したのも近隣住民だった。とくに上野市の対応はひどく、おろおろするばかりで何もできていなかった。気分がわるくなるなど、周辺住民に被害が発生したが、これについても対応が出来ていなかった。また伊賀県民局の環境部長が現場も見ずに帰ってしまったことが集中非難されていた。

11) 流れ出した排水については現在県が分析中。住民側も水を大阪の環境監視研究所に送って分析中。なお、水はすでに高山ダムまで流入した模様。月ヶ瀬村・大阪市・奈良市など、下流で取水している自治体の対応が注目される。

12) 分析結果をふまえ、今週土曜日のよる再度集会が開かれる。その場で、今後の対応が協議される。 
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現場見学、メンバー7名参加。

1) 漏れたのは原液ではなく、処理水です。しかしこれもかなりのきついにおいを伴っており、長時間すいこむと、気分がわるくなって当然だと思いました。きついにおいというのは、ある人は海のにおいが強くなったようだと表現し、ある人は朝日新聞が書いているような硫黄のにおいではないといいました。ともかく強烈な悪臭としか表現しようがないにおいです。みんなにおいのしないほうに逃れた。逃れないと命が危ないと感じるほどのにおいでした。下界まで下りてきても、なんとなくまだ酩酊感のような気分が残っています。

2) 処理の方法は、酸に対しては25%の苛性ソーダ水溶液を加える。アルカリに対しては59%の硫酸水溶液を加えるという方法です。そして中和した液を珪藻土を加えながら、ろ過する。ろ過してフィルターに残った沈殿物はまさに漆黒。二つの液を混ぜるという乱暴なことはさすがにやっていませんでした。こういうことがあるから、人の話はあてにならない。

3) 処理水はいったん水槽に貯め、パイプラインを使って上の焼却炉まで運び上げる。その処理水の色は、茶色と黒とのまだら模様。とても処理水と言える代物ではありませんでした。もっとも原水は灰色の不気味な色をしており、処理水よりさらに強いにおい、近づくことすらためらわれるにおいです。

4) パイプは直径5センチ程度のポリプロピレン製。つまり内側は半透明のポリプロピレンです。ただし外側は塩ビではないかと思われる黒い被覆で覆われていました。外側は何かと係員に尋ねても知りませんでした。

5) このパイプがむき出して敷設されており、そのジョイント部分の金具が腐蝕してはずれたものでしょう。斜面の草が灰色に汚れていました。このパイプラインがどこを走っているのか現場担当者も知らない。まったく危機管理が出来ていません。

6) このパイプラインが約200メートルほど続き、焼却炉の横にある貯留タンクに入れられます。廃酸・廃アルカリと二つのタンクに表示がありますが、なかで続いているという話でした

7) 廃酸・廃アルカリといっても、特管物では、処理水の基準が決められています。(と思いますが、まだ廃掃法をきっちり読んでいないので、大体の勘でいっているのですが)どのくらいの頻度で処理水のチェックをしているのかと質問すると、担当者が答えられない。たまたま別の事業所から応援にきていた取締役が、一年に一回(1)だと答えました。何と言うことだ。

8) 法律関係をつめた上で、さらに追及する必要があります。三重県の監督責任を追及できそうだ。

9) その取締役いわく、アメリカでは頻繁な検査を義務付けている。日本でもこれからそういうものが必要になってくるのではないかと他人事のように言っていました。何を考えているのか。


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