「ダイオキシン・処分場問題愛知ネットワーク」活動紹介

廃墟「トーヨーボール」のアスベスト問題

ホテルニュージャパン社長・横井英樹氏の負の遺産
■稲沢市平和町領内にあります。
 愛西市と隣接しており、アスベストが飛散しているならば、愛西市への飛散が心配です。
 このボーリング場は、ホテルニュージャパンの社長横井英樹氏が経営していました。
  今は、天井が抜け、飛散性アスベストがむき出し。窓ガラスは割れ放題。若者が出入りし、青少年の健康と健全育成にも問題があります。早急に何とかせねばなりません。
昭和44年頃 ・現稲沢市平和町(愛西市隣接)に、240レーンの巨大ボーリング場ができる
平成7年頃 ・廃墟への道を歩みはじめる。 
    ・    ・・・・・・
平成17年8月?
・愛西市より「トーヨーボールのアスベスト」の情報を得る
・県海部事務所に確認
「解体しなければ飛散しない」とし、石膏ボードなどの非飛散性アスベストの説明を聞く。
 →非飛散性のアスベストが使用されているのだと思う。
9月
・愛西市議会でとりあげられる
一般会計補正予算質疑において

○3番(吉川三津子君)
 それからもう1点、アスベスト問題につきまして、愛西市ではございませんが、お隣の稲沢市にありますトーヨーボウルがアスベストが使われているということでお伺いしておりますけれども、すぐ佐織地区に隣接しているということで、何か問題が起きれば当然愛西市にも影響することでありますので、ちょっとお尋ねしたいと思います。
 アスベスト入り石膏ボードということで、飛散は少ないと私も考えておりますけれども、現場に行かれてわかりますように、あの朽ち果て方を見ますと、いつまでも安心していられるような状況ではないと私は考えております。現在、建物はだれが安全管理をしているのか、また、将来にわたり安全と言い切れないアスベスト問題の監視を今後どう対策が考えられているのか、そのような情報がありましたらお伺いしたいと思います。


○市民生活部長(藤松岳文君)
 そんな中で、トーヨーボウルの件が出てまいりましたが、私ども
愛知県尾張事務所環境保全課に問い合わせをいたしました。現場調査を行った結果、解体をしないのであれば、飛散の可能性はないとの回答を受け取っております。また、管理責任について稲沢市に確認をいたしましたところ、ここは組合組織になっておるようでございますが、現在連絡がとれないような状況であると伺っております。したがいまして、稲沢市に、何とかそこら辺連絡をとっていただくようお話をしながら進めておるところでございます。

○3番(吉川三津子君)
それからトーヨーボウルの件ですけれども、これは解体しなければ問題がないということですけれども、私、現場の方を見てきたら、窓ガラスは全部割れているし、天井も落ちてきているし、解体と同じような状況になってしまっているのではないかということで、本当に危険なな建物ではないかと思いますが、今までずうっと放置されているんですけれども、県が関与するようなお話があるのかどうか、その辺ちょっと1点、お聞きしたいと思います。

○市民生活部長(藤松岳文君)
トーヨーボウルの関係でございますが、私どもも現場を見させていただきまして、窓ガラス等、割れてしまっている、そんな状況を愛知県の
尾張事務所環境保全課の方にお話をしまして、こんなような状況であるので早急な対策がというようなこともお話をしながら、そんな中で保全課の方としての考え方としては、解体をしなければというようなお話になったわけでございます。できるだけ私どもの情報も県の方に伝えながら対応してまいりたいと思っております。
平成18年3月
・解体の手続きが始まるが、中止になる。
4月 ・名古屋地裁一宮支部の物件証明書に「アスベスト使用の可能性が高い」と明記されていた。
7月 ・名古屋地裁一宮支部で競売にかかる。←落札されるが、後に入金なく流れる?
9月17日
・施設内の調査活動をし、むき出しのアスベストを確認
 1階でさえ、あちこちの天井が落ち、アスベストがむき出しです。
・屋外からも確認できる
 TOP頁にも写真を載せましたが、外の窓硝子は割れ放題。
 道路沿いからも、アスベストが見えます。脱落しているのも確認できます。
←最上階は、屋根が抜け、青空が見えます。アスベストは、かなり落下しているようにみえます。
9月19日
・県尾張事務所・大気環境課へ状況を説明する
  「環境パトロールの時に立ち寄り、いつも見ているが飛散の恐れはない」と説明を受ける。「外から目視でどうやってアスベスト飛散状況を判断するのか・・・」と尋ねるが、話しは平行線で終わる。
9月20・21日
・愛知県知事と県教育委員会へ要望書を提出
★本日の口頭での回答
  
大気環境課「債権回収機構などに、飛散防止策をとるよう働きがけをしていく」
  
教育委員会「委員会に報告し、県の担当部署に働きがけていく」
  
県民生活部社会活動推進課「パチンコ店で少女が殺される事件もあり、廃墟のことも重要だと考える」etc

★以下、本日の提出文書

平成18年9月20日
愛知県知事 神田真秋 殿
愛知県教育委員会委員長 加藤 勤殿


廃墟におけるアスベスト問題と青少年の健全育成に関する申し入れ

ダイオキシン・処分場問題愛知ネットワーク
        代表 吉川 三津子


 稲沢市平和町にあるトーヨーボールは、ホテルニュージャパンの社長であった横井英樹氏が経営していたボーリング場で、1フロア80レーンが3フロアといった東洋最大のボーリング場として、昭和45年頃にオープンしました。ボーリングブームが去った頃から建物の老朽化はどんどん進み、ガラスも割れ、天井も落ち、現在ではひどい廃墟となっており、早く解体して欲しいとの大きな地域の声があります。

 しかし、横井英樹氏が破産したことで、整理回収機構などの手に渡っているとの噂も聞いていますが、建物の管理責任は誰にあるのか、どこへ相談をしたらよいのか、地元住民はわからず大きな悩みの種になっています。

 また、問題は美観だけでなく、トーヨーボールには飛散性アスベストの問題があります。屋内は、天井が落ちてアスベストがむき出しになっており、特に最上フロアの天井はほとんど落ちてしまっています。県は「飛散の可能性はない」と言っていますが、周辺住民は大きな不安を持っています。これ以上老朽化が進めば、とても「問題がない」と言ってられないのではないでしょうか。


 このトーヨーボールの問題は、周辺住民だけの問題ではなく、最近は減ったものの、心霊スポットとして青少年が出入りし、夜の遊び場となっているという問題もあります。青少年の健康上ならびに健全育成の観点からも大変問題があり、直ちに対策を執る必要があります。

 よって、特に青少年の健康と健全育成の観点から、以下の実現を切に望みます。つきましては、下記について、9月30日までにご回答頂きますようお願いいたします。

1.青少年の健康と健全育成のため、トーヨーボール屋内に入れない措置をとること
2.トーヨーボールのアスベスト調査を行い、屋外へのアスベスト飛散防止策をとること
3.トーヨーボールの安全な解体が、早期に実現するよう努力すること
4.県下に於けるアスベスト使用の廃墟の存在や、老朽化、若者の侵入状況などについての調査をすること
・新聞報道
 ↓9月20日、毎日新聞夕刊(クリックすると拡大)


★県尾張事務所のコメント
「建築年代や形状から、飛散性アスベストの可能性が高い。詳細な調査と飛散防止策を検討したい」としており、立入禁止なども検討している。

★専門家コメント
「子どもの出入りも考えれば急を要し、直ちに立入禁止、飛散防止の措置をとらねばならない。権利関係が複雑なら、自治体がまず動くべきだろう」

毎日新聞の専門家のコメントがうれしい。

↓9月21日、中日新聞朝刊・尾張版(クリックすると拡大)


★チンプンカンプンの県大気環境課のコメント
アスベストが大量に使用された昭和40年代の建物であることから、アスベストの可能性は高い。吹きつけされていれば、飛散の可能性は低いのではないか」とみる。

↑誤報かと思い、県にコメントについて、電話で確認 → 誤報でなく、やっぱりわかっていないみたい

 厚生労働省は、「吹き付けアスベストが問題だから、対策をしなさい」と言っているのに、県は何をわけのなからないことを言っているのかと、私は、コメントをした当人に電話をした。

 「厚生労働省は、露出して『吹き付けアスベスト』が使用されている場合、劣化等によりその繊維が飛散する恐れがあるから、対策をとるようにしなさいと言っているのに、吹き付けてれば大丈夫というコメントはどういう意味か」と。

 しかし、「吹き付けてくっついていれば、飛散しにくい」との回答が繰り返され、アスベストの繊維飛散のことが理解されていないようだった。昨日は、施設内のアスベスト写真も一緒に提出したのに・・・。

↓9月21日、中日新聞朝刊・県内版(クリックすると拡大)


★県尾張事務所のコメント
「土地の所有者を確認し、アスベストが実際に飛散しているか調査したい」
9月29日
・アスベスト含有率 27%越えの報道
 ↓9月29日、中日新聞(クリックすると拡大)

9月30日
・集会に50人集まる。みんなで活動を進めることを決める。
 ↓9月30日、中日新聞(クリックすると拡大)

10月7日
・9月20日、愛知県知事に提出した申し入れに回答が来ました。
(クリックするとPDF表示)

申し入れ事項1
1.青少年の健康と健全育成のため、トーヨーボール屋内に入れない措置をとること

回答
 大気汚染防止法では、建築物の屋内に入れない措置を講ずることはできませんが、周辺住民の安全確保の面から、立入禁止の看板を設置することとしております。また、土地及び建築物の所有者に対し、柵の補強等適切な措置をとるよう指導しているところです。

申し入れ事項2
2.トーヨーボールのアスベスト調査を行い、屋外へのアスベスト飛散防止策をとること

回答
  この建築物の屋内に使用されているアスペストの調査及び屋外への飛散防止策は、建築物の所有者又は管理者が行うべきものであると考えています。なお、周辺環境中のアスベスト濃度の測定については、実施してまいります
申し入れ事項3
3.トーヨーボールの安全な解体が、早期に実現するよう努力すること

回答
  この土地及び建築物は競売が行われると聞いています。この土地と建築物の根抵当権を有する(株)整理回収機構に対し、円滑な競売が進み、新たな所有者が早急に決まるよう要請しているところです。
申し入れ事項4
4.県下に於けるアスベスト使用の廃墟の存在や、老朽化、若者の侵入状況などについての調査をすること

回答
建築物に使用されているアスペストの調査等は、建築物の所有者又は管理者が行うべきものであると考えています。

・回答書を受け取って思うこと
回答の要点は
・県が、立入禁止の看板設置をする
・管理責任者に、柵の強化をするよう指導する
・アスベスト調査と飛散防止策は、建物管理責任者が行うべきもの
・環境調査は、県が実施する
・債権整理回収機構に、円滑な競売が進むよう要請する
・アスベスト使用の廃屋実態調査ついて、県は何も行わない

評価できること
 県が動き出したことは、評価できると思う。

課題
 どうみても飛散の可能性大。環境調査の意味は?


 屋上が抜け落ち、最上階は雨ざらし。誰もにも、吹き付けアスベストの老朽化と落下は予想できる状況です。
 実際に、外からアスベストが落下している箇所が目視できます。屋上が抜け落ち、ガラスがあちこちで割れている状態ならば、飛散していることは間違いないでしょう。

 こんな状況で、天候や風向きの影響を受けやすい「敷地境界環境調査」で、正確な結果が出るのだろうか。

 それよりも、施設内にどれだけアスベストが飛散しているかの調査をする方が確実な調査の仕方ではないか。敷地内に無断で入れないなら、管理者の了解を得ればよいこと。確実な方法で調査をして欲しいものだ。

 「周辺のみなさんの不安を取り除くための調査」と、最初から問題ないとの安全宣言を出すための調査だという声も聞こえてくる。そんなことにならないようしっかりと取り組んでいただきたい。

 県下に同様の問題はないのか?

 回答4では、質問と回答とに食い違いがある。県下全ての背教のアスベスト調査をせよと言っているのはない。若者の健康確保や健全育成のため、アスベスト使用の可能性のある廃墟の存在を調査をし、管理責任者などに働きがけを求めたものだが・・・?

 法的不備への働きがけを

 アスベストを使用した施設の解体や改築などへの法改正はされたが、このように廃墟のまま放置された家屋への規制がないのが、問題である。法整備の不備を国なりに届けていくのが、県行政の役割である。
 法律上問題がないことと、住民の健康や生活が確保されることは、決してイコールではない。行政の判断の目は、後者にあるべきと思う。
・県による環境調査が、11日に実施される?
 11日に、県により環境調査が行われるという情報が入りましたが、県からは、何の連絡もありません。調査を行うことを、地元に知らせることがトラブルにならない方法。きちんと関係者に公開して実施していただきたいものです。
 


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◎ 開  設  98/12/01