Last Update : 2000/11/20
 
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★産廃処分場から汚水流出!!★
 
 
【コメント】
 頂いたメール情報をまとめてみました。
 今回は、廃酸や廃アルカリの中間処理施設のパイプ破損事故。水源地に近い所での事故です。行政により、水質調査もされていますが、安全宣言を出すための調査でないことを望みたいものです。
 とにかく、最終処分場であろうが、中間処理施設であろうが、水源地を避けるべきでしょう。

 
<新聞報道から>
●朝日新聞 伊賀版 2000年11月14日朝刊
<産廃施設から汚水漏れ 下流で魚80匹浮く 上野>
 
 上野市予野の産業廃棄物処理業 「三重中央開発」 で十三日、産業廃棄物から出た汚水を運ぶパイプが破損し、汚水が近くの河川に流れ込む事故があった。周辺には強い硫黄臭が漂い、川が白く濁った。下流では八十匹の魚が死んで浮いているのが確認された。県伊賀県民局や同市、上野署などが事故の情況を調べている。地元住民らは同社を訪れ、事故原因についての説明を厳しく求めた。
 
 同社三重事業所の井上吉一所長によると、産業廃棄物から出た汚水を中和処理し、蒸発させるために焼却炉に送る途中のポリプロピレン製の配管(直径5センチ)の接合部が壊れ、事業所の南東方向に汚水が漏れたという。午前八時ごろ施設を稼動しており、午前十時半ごろに汚水漏れに気付いてポンプを止めた。漏れ出した汚水の量や含有成分などは分からないという。建設省木津川工事事務所と県伊賀県民局が、汚水の分析を進めている。
 
 汚水は事業所わきの側溝から北山川、予野川に流れ出た。同社は土のうなどで川をせき止め、バキューム車で吸引した。同県民局の担当者によると、事故現場から二キロ近く離れた予野川で、魚が浮いているのが確認されたという。
 
 この影響で、現場下流の名張川から上水道用水を取水している奈良県月ヶ瀬村は午後三時すぎに取水を止めた。
 
●朝日新聞 伊賀版 2000年11月16日
<上野の汚水漏れ事故 におい除き異常なし/中間報告 水質調査で明らかに>
 
 上野市予野の産業廃棄物処理会社「三重中央開発」の産廃から出た汚水が河川に流出した事故で、上野市は15日、同市水道部が河川の水質を調査し、結果が出た40項目の中で、においを除き、通常の河川と比べて異常はなかったという中間報告を明らかにした。県や同市はこの日、汚水から出た沈殿物の速やかな回収など、適切な対応を命じる文書を同社に渡した。
 同市水道部によると、汚水が流出した北山川、予野川の4ヶ所で事故翌日の14日午前11時ごろ、地元住民が立ち会う中で水を採取。大腸菌群やカドミウム、水銀など46項目を検査した。
 においは4ヶ所とも薬品臭が確認されたが、有害物質の含有量は水道水の原水とほぼ変わらないという。同部は「現時点の結果ではにおいを除き、水道水にすることもできる数値だ」としている。15日には、6項目の結果がでなかった。
 また、この日、県が北川正恭知事名で廃棄物処理法に基づく改善命令を、県伊賀県民局が吉本保俊建設部長名で河川法に基づく汚染物質の回収命令を、市が今岡睦之市長名で適切な対応を求める措置命令を、それぞれ文書で同社に出した。
 
 
●朝日新聞 伊賀版 2000年11月20日朝刊
<上野の汚水漏れ事故 においの原因不明 2度目の会合 行政側さらに調査>
 
 上野市予野の産業廃棄物処理会社「三重中央開発」の汚水漏れ事故をめぐり、地元住民や同社、行政による集会が18日夜、近くの市農村ふれあいセンターで開かれた。事故当日に続く二度目の会合で、住民側は、約130人が出席し、同社の対応や県、市の見解をただした。行政側は河川の水質検査で、これまでに有害物質は見つかっていないとしたものの、住民側が「悪臭や体調をくずした原因を明らかにすべきだと強く申し入れ、引き続き調査を進める方針を示した。
 
 同社からは下地一正社長や井上吉一・同社三重事業所長が出席。井上所長は16日までに、汚水30トンが漏れ出した河川から、計680トンの水を回収したと報告。また、10月1日から11月11日までに取り扱った産廃について、持ち込み業者から中身を聞き取った結果、「毒性は無害だと認識している」と話した。
 県の担当者は、漏れ出した汚水を分析したところ、廃棄物処理法でさだめられた有害物質23項目のうち、結果がでていないPCBを除き、22項目は基準値内だったと説明。さらに汚水が漏れ出した河川で死んだオイカワなど3種の幼魚を県水産技術センターで調べ、エラや内臓などに特に異常がなかったという中間報告をした。
 住民側は「なぜ異常がないのに、あれほどの悪臭だったのか」「我々が体調をくずした原因を明確に説明しなければならない」などと厳しく追及。県側は「においの分析はできていない」と説明し、さらに調査をすすめると明言した。また、死んだ魚について、県警の科学捜査研究所に調査を依頼したことも明らかにした。
 さらに住民側は、同社に対する県の監視体制をただした。県側は、先月と今月にも同社の立ち入り調査をしたものの、事故がおきた中和処理施設については「昨年4月までさかのぼったが、見ていなかった」と話し、住民側から、「県はこれまで何を指導してきたんだ」と怒りの声があがった。
 4時間ほどの話し合いが続く中、一部の住民からののしられ、同社の下地社長が「我々は真剣に対応しているのに、このような話し合いはいじめではないか」などと激高。周囲になだめられる場面もあった。
 
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<頂いたメールからの情報です>
● 第1報  11/14
◆11/13午前中に、三重県上野市予野字鉢屋の三重中央開発産廃処分場(約15hawで安定型、管理型)から汚水が流出しました。
 
◆操業は午前8時半。
同処分場内にある中間処理施設(中和施設で一日処理量46トン)の処理タンクから焼却施設及び汚水処理施設に送水するパイプの接合部がはずれ汚水が流失。
 
◆従業員が発見したのが10時半。
12時過ぎに区長のところへ走り、その後上野市と三重県に連絡した。
 
◆対策をとったのが1時半から。いつから漏れていたのかは不明。発見時にとりあえず中和施設の電源スイッチを切ったそうである。
 
◆友人が、3時前に現場に行ったときの様子は、予野川へ流入する地点から上流300Mに臨時の堰堤を築いて、たまった汚水をバキュームカーでくみ上げる作業をおこなっていた。汚水は、白い泡に覆われてあり、水そのものも白濁していた。予野川では、魚がうきあがったり、フラフラ泳いでいる状態で、少なくとも数十匹は死んでいるのが確認された。白い水については「中和処理の際に使用してる石灰ではないか」と、応援にきていた作業員が話した。
 
◆対応が遅く4時半時点でもバキュームカーが処理をつづけていた。もうそのころには下流の高山ダムに汚水が相当流入した後と考えられる。この高山ダムから月ヶ瀬村が簡易水道を取水。さらに下流へ下れば、奈良市、京阪神間の水道水源が集中しており、飲料水への影響が心配される。
 
◆流失した汚水の中身は「食品工場の終末処理水、機械工場、自動車部品工場の処理水なども含まれている」と社長と所長は語っている。
 
◆なお、周辺住民は今晩8時に集合して、説明を求めるとともに、操業中止を呼びかけている。
 
● 第2報  11/14
以下、説明会の様子
 
1) 漏れたのは中和処理したあとの「処理水」ではなく、「未処理水」である。はじめ三重中は処理水であると主張していた。
 
2) 「未処理水」を処理施設に揚水するパイプの途中でジョイント部分が外れた。このパイプについては、現地に行ったときに、タンク車が止まって作業をしているのを見たことがある。かなり古くなっている感じだった。
 
3) 酸・アルカリの処理といっても、酸とアルカリを混ぜて「中和」させ、それを焼却炉内に噴霧して、一緒に燃やしてしまうという、まことに乱暴な「処理」。これを処理というのだろうか。こういう「処理」が現在の生活を支えていることを考える必要がある。松下の廃液も来ていたという。
 
4) 酸にもアルカリにも、電気工場・金属加工工場などのさまざまな液剤が搬入されていた。したがって、有機系の酸・アルカリが含まれていることが当然考えられ、燃やすと何が発生するか予想もつかない。また、酸・アルカリそれ自体には有機物が含まれないとしても、その酸・アルカリを使ってなんらかの工程を経た廃液をもってくるのだから、その中に重金属類そのほかの有害物質がどれだけ含まれているか予想できない。  
 
5) 昨夜は11時30分ころまで説明会が行われた。確認されたことは酸・アルカリの処理部分については、住民の納得がえられるまで当面操業を中止する。
 
6) 上野市長も来ていた。かれは地元との公害防止協定を三重中に守らせると約束した。
 
7) 三重県は廃棄物対策課がきておらず、住民から強い批判を浴びた。
 
8) 三重県の対応を追及すると、三重中があせるという情況があった。住民が三重県の対応を追及しているとき、突然、三重中の社長が中央に出て、そういう暴力的なものの言い方はおかしいと言い出した。これは住民の県への追及が厳しいと、措置命令などの厳しい処分がでるのを恐れたことかもしれない。
 
9) 三重中社長・上野市長までくるという対応に、この件にたいするかれらの危機意識の強さが伺われる。
 
10) 行政側が事故の広報を全く出来ていなかったことが追求された。事故に気がついてあちこちに通報してまわり、周辺住民に注意を促したのも近隣住民だった。とくに上野市の対応はひどく、おろおろするばかりで何もできていなかった。気分がわるくなるなど、周辺住民に被害が発生したがこれについても対応が出来ていなかった。また伊賀県民局の環境部長が現場も見ずに帰ってしまったことが集中非難されていた。
 
11) 流れ出した排水については現在県が分析中。住民側も水を大阪の環境監視研究所に送って分析中。なお、水はすでに高山ダムまで流入した模様。月ヶ瀬村・大阪市・奈良市など、下流で取水している自治体の対応が注目される。
 
12) 分析結果をふまえ、今週土曜日のよる再度集会が開かれる。その場で、今後の対応が協議される。 
 
● 第3報   11/14
 14日午前7時半頃、同産廃処分場下流の河川を見てまわりました。幸い、名張川の水がたまっている高山ダムの水位が高く、予野川に汚水の相当部分が滞留しています。
 
 表面に浮いているものは、ごみが自然の堰堤となってせき止めています。しかし、底のほうに沈殿しているものは、既に名張川に到達しています。処分場から6キロメートルの地点に月ヶ瀬村の簡易水道水源があり、月ヶ瀬村は、昨日午後3時半に取水をストップしています。
 
● 第4報  11/15
 
いま三重中央の現場から帰ったところです。メンバー7名で見学。
 
1) 漏れたのは原液ではなく、処理水です。しかしこれもかなりのきついにおいを伴っており、長時間すいこむと、気分がわるくなって当然だと思いました。きついにおいというのは、ある人は海のにおいが強くなったようだと表現し、ある人は朝日新聞が書いているような硫黄のにおいではないといいました。ともかく強烈な悪臭としか表現しようがないにおいです。みんなにおいのしないほうに逃れた。逃れないと命が危ないと感じるほどのにおいでした。下界まで下りてきても、なんとなくまだ酩酊感のような気分が残っています。
 
2) 処理の方法は、酸に対しては25%の苛性ソーダ水溶液を加える。アルカリに対しては59%の硫酸水溶液を加えるという方法です。そして中和した液を珪藻土を加えながら、ろ過する。ろ過してフィルターに残った沈殿物はまさに漆黒。二つの液を混ぜるという乱暴なことはさすがにやっていませんでした。
 
3) 処理水はいったん水槽に貯め、パイプラインを使って上の焼却炉まで運び上げる。その処理水の色は、茶色と黒とのまだら模様。とても処理水と言える代物ではありませんでした。もっとも原水は灰色の不気味な色をしており、処理水よりさらに強いにおい、近づくことすらためらわれるにおいです。
 
4) パイプは直径5センチ程度のポリプロピレン製。つまり内側は半透明のポリプロピレンです。ただし外側は塩ビではないかと思われる黒い被覆で覆われていました。外側は何かと係員に尋ねても知りませんでした。
 
5) このパイプがむき出して敷設されており、そのジョイント部分の金具が腐蝕してはずれたものでしょう。斜面の草が灰色に汚れていました。このパイプラインがどこを走っているのか現場担当者も知らない。まったく危機管理が出来ていません。
 
6) このパイプラインが約200メートルほど続き、焼却炉の横にある貯留タンクに入れられます。廃酸・廃アルカリと二つのタンクに表示がありますが、なかで続いているという話でした。
 
7) どのくらいの頻度で処理水のチェックをしているのかと質問すると、担当者が答えられない。たまたま別の事業所から応援にきていた取締役が、一年に一回(1)だと答えました。何と言うことだ。
 
8) 法律関係をつめた上で、さらに追及する必要があります。三重県の監督責任を追及できそうだ。
 
9) その取締役いわく、アメリカでは頻繁な検査を義務付けている。日本でもこれからそういうものが必要になってくるのではないかと他人事のように言っていました。何を考えているのか。
 
● 第5報  11/17
 三重県上野市水道部の検査結果がでました。現場に一番近い白拍子橋のデータ。
 現場から千数百メートル下流です。現場近くに意味不明の大量の希釈水が流入していて、この数値はまったく意味がありません。
 
  硝酸性および亜硝酸性窒素    1.06mg/l
  有機物(過マンガン酸カリ消費量) 6.6mg/l
 
このデータをもとに現地の人に大丈夫だといったそうです。なぜ、原水を測らないのか。こういう度し難い体質はなんとかならないものでしょうか。
 
 

 
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