Last Update : 2001/ 3/20
 
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★焼却炉解体の問題★
 
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【コメント】
 平成14年から、焼却炉の設備基準が厳しくなります。あちこちで、産廃焼却炉の解体や廃炉の問題がでてくることでしょう。解体に関するマニュアルを作る必要性を感じます。
 

 
大阪府の能勢の焼却炉解体で
バーナー熱でダイオキシン気化、吸引。
2000.08.19 読売新聞より
 
 ダイオキシン類に汚染された大阪府能勢町のごみ焼却施設の解体に従事した作業員が2次汚染した問題で、工事を請け負った日立造船(本社・大阪市)が、ダイオキシン類を除去しないまま一部の設備を、作業員にバーナーで切断させていたことが18日、労働省の調査でわかった。同省は気化したダイオキシン類が防塵(ぼうじん)マスクを通過して人体に吸収されたとみている。
 加熱によるダイオキシン類の気化は常識とされるが、事前に作業手順の報告を受けた地元の労働基準監督署は危険性に気づかず、日立造船も気化は想定外だったとしている。
 
 問題の焼却施設は「豊能郡美化センター」。排ガスから高濃度のダイオキシン類が見つかった97年に操業を休止、昨年6月〜今年3月に解体された。その後、工事に携わった作業員35人から、血中脂肪1グラム当たり最高5千380ピコ・グラム(ピコは1兆分の1、通常は20〜30ピコ・グラム)、平均680ピコ・グラムのダイオキシン類検出された。
 
 解体工事では粉塵対策に最新設備が使用され、大量の粉塵を吸い込む状況になかったことから、労働省で原因究明を急いでいた。
 
 その結果、一部の施設について、汚染物を除去しないままバーナーで解体していたことが判明。血中濃度が高かった作業員の多くは、焼却炉の煙の浄化で高濃度のダイオキシン類に汚染された洗煙塔周辺で作業していたことも分かった。
 
 千ピコ・グラムを超える汚染被害を受けたある作業員の場合、洗煙塔の上にあるガス混合機を、汚染物が付着したままバーナーで切断する作業を2日間担当。気化したダイオキシン類を防ぐ「エアラインマスク」を使っていなかった。
 
 日立造船は昨年2月、大阪府が設置した専門家の検討会が技術面の検討を加えた結果、担当企業に選ばれた。同社は労働安全衛生法に基づき、昨年6〜7月にかけ地元の淀川労基署に工事の概要、工程表などを提出。汚染物を付着させたままバーナーで切断する工程も説明していたが、労基署は問題点を見逃していた。
 
 ダイオキシン問題に詳しい立川涼・前高知大学長(環境化学)は「ダイオキシン類が一定の温度を超えれば、気化することは化学の常識」と批判している。

 
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