Last Update : 2001/ 9/ 4
 
「あいちの環境を考える仲間たち」のホームページ
 
★安定型最終処分場の問題★
 
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【コメント】
 施設内で広げて安定5品目だけを選別しなくてはならなくなったが、果たしてそのようなことが可能なんだろうか?安定5品目しか埋め立てできないのに、汚染情報が届きます。
 

 
●安定型最終処分場の新たな義務
@搬入された廃棄物を埋め立てる前に搬入車両から降ろして拡げ、安定型廃棄物以外の廃棄物の混入がないことを確認する展開検査の義務づけ
A浸透水の水質検査の義務づけ
B水質基準を超えた場合の搬入及び埋立処分の中止その他改善措置の義務づけ
C処分場周縁の地下水の水質検査と水質が悪化した場合の原因調査と改善措置の義務づけ…など。
普通に考えれば、「安定型」の処分場は建設できないことでしょう。まず、現場で廃棄物を展開検査する…といっても、完璧にこなせる“作業員”は存在しないでしょう。今後(環境ホルモンなど)未知の化学物質が汚染物質として指定される可能性がある。
 
●安定型処分場の廃止基準の設定(H10.6)環境庁
○浸透水の水質、ガスの発生、埋立地内部の温度について、異状がないこと
○土砂等により開口部が閉鎖されていること
硫化水素ガス発生事故が各地で起きている。完璧な分別は、不可能であるから、ガス発生の恐れは大きい。
 
●安定型産業廃棄物に係る見直し 廃掃法施行令     
○改正の趣旨
 現行の安定型産業廃棄物のなかには、有機性汚濁の原因となる物質の含有・溶出、有害物質の溶出の観点からそれ自体問題があるもの、あるいはそのような汚染の原因となるような物質が付着・混入する可能性が高いものが含まれているため、現行安定型産業廃棄物の範囲を見直すとともに、安定型最終処分場に安定型産業廃棄物以外の廃棄物が入らないようにするための措置を強化する。
 
○改正の概要
(1)現行の安定型産業廃棄物から、以下のものを除くこととする。
{1}プリント配線板(鉛を含むはんだが使用されているものに限る。)
{2}ブラウン管(側面部に限る。)
{3}鉛蓄電池の電極
{4}鉛製の管又は板
{5}石膏ボード
{6}容器包装(有害物質又は有機性の物質が混入し、又は付着しないように分別して排出され、かつ、処分までの間にこれらの物質が混入し、又は付着したことがないものを除く。)
 
(2)安定型最終処分場において埋立処分を行う場合には、安定型産業廃棄物以外の廃棄物が混入し、又は付着するおそれのないように必要な措置を講ずるようにする。 特に、工作物の新築、改築又は除去に伴って生じた安定型産業廃棄物については、環境庁長官が定める一定の方法により混入、付着の防止措置を行うこととする。
(3)なお、既存の安定型最終処分場に対する上記(1)、(2)の適用については、本政令の施行後1年間(平成11年6月16日まで)の猶予期間を置く。
 
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●安定型産業廃棄物、不許可の事例(岡崎市) 
 
有限会社スズセイの産業廃棄物処理施設設置許可申請に係る不許可処分について
 
 平成11年6月30日付けで提出された有限会社スズセイからの産業廃棄物処理施設設置許可申請については、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号。以下「法」という。)第15条第4項の規定により同年8月17日に縦覧場所等を告示し、同条第5項及び第6項の規定による岡崎市長及び利害関係を有する者から意見書が同年10月1日までに提出されています。
 これらの意見書等を資料として、7回に亘り愛知県廃棄物処理施設審査会議において厳密な検討を行い、平成12年6月14日に知事に対して審査会議意見書が提出されました。
 県としては、この内容を尊重しつつ、厳正に審査した結果、廃棄物の上に築くこととしている処分場東側側面のえん堤部分の安定性が確認できないことから、法第15条の2第1項第1号に定める技術上の基準に適合しているとまでは認められないこと、また、同えん堤の崩壊により廃棄物が流出するおそれがあること等から、法第15条の2第1項第2号に定める周辺地域の生活環境の保全について適正な配慮がなされているとまでは認められないとして、平成12年6月20日付けで当該申請を不許可処分としたものです。
 
1 施設の概要
  申請者:岡崎市細川町字上大針16番地
       有限会社スズセイ 代表取締役 大塚 港
  計画地:岡崎市細川町字上大針16番 他19筆
  種 類:産業廃棄物最終処分場(安定型)
  規 模:面積  24,868m2(内埋立地面積 15,525m2)
      容量 193,004m2
 
2 施設の設置場所
   別紙1のとおり
 
3 処分に係る経緯
   別紙2のとおり
 
4 不許可処分理由
(1 )法第15条の2第1項第1号(技術上の基準)
 廃棄物(廃プラスチック類98%)の上に築くこととしている処分場東側側面のえん堤部分は、次の理由により安定性が確認できない。
 ア  廃棄物層の内部摩擦角にコンクリートがら等の一時保管を想定した積上げ勾配を使用している。
 イ  砂質土である地山の内部摩擦角をN値から推定する際に、掘削ズリとマサ土の平均N値を用いるとともに、粘着力を見込んで計算している。
 ウ  えん堤自体の強度定数は、使用が予定されている土の締固め状況を想定して設定されていない。
 エ  えん堤の沈下変形に対する安定性について検討が行われていない。
(2 )法第15条の2第1項第2号(周辺地域の生活環境の保全について適正な配慮)
 ア 廃棄物の処理について
・  処分場東側側面のえん堤部分が崩壊することにより、廃棄物が流出するおそれがある。
・  処分場の使用に当たって、火災の発生時に対する維持管理計画は十分とはいえない。
 イ 水質汚濁について
・  埋立地底面の地盤から、地下水の湧出や汚水の浸透の可能性がある。
・  工区ごとの掘削工事に伴う雨水の排除方法が明確にされていない。
 ウ 調整池について
・  調整池の東側面に天端巾が1m程度のところがあり、この部分で崩壊するおそれがある。
・  調整池の排水管の直径が明確でなく、洪水時の調整池からの排水量が既設のマンホールと接続されている排水管によって処理できるかどうかの検討が十分にされていない。
 
処分に係る経緯
 
 
平成11年6月30日  産業廃棄物処理施設設置許可申請書が事業者から愛知県岡崎保健所に提出
平成11年8月17日  愛知県公報に申請書及び生活環境影響調査書の縦覧場所等を告示
平成11年8月18日  申請書及び生活環境影響調査書の縦覧(9月17日まで)及び利害関係者からの意見書の受付開始(10月1日まで)
平成11年9月30日  岡崎市長からの意見書を受理
平成11年11月15日  平成11年度第1回愛知県廃棄物処理施設審査会議を開催
 現地調査し計画の概要について把握
平成11年12月27日  平成11年度第2回愛知県廃棄物処理施設審査会議を開催
 計画の詳細、市長及び住民意見について検討
平成12年2月4日  平成11年度第3回愛知県廃棄物処理施設審査会議を開催
 審査会議指摘事項の対応等について検討
平成12年3月3日  平成11年度第4回愛知県廃棄物処理施設審査会議を開催 
 審査会議指摘事項の対応等について検討
平成12年4月7日  平成12年度第1回愛知県廃棄物処理施設審査会議を開催
 岡崎市長の意見陳述
平成12年5月29日  平成12年度第2回愛知県廃棄物処理施設審査会議を開催
 えん堤の安定性等の技術的事項について検討
平成12年6月14日  平成12年度第3回愛知県廃棄物処理施設審査会議を開催
 知事に提出する意見書について検討・報告
 
  <新聞報道> (00.06/22 Update
 
 
●安定型産業廃棄物、建設禁止の判例(長野県・美麻町) 
 
 産業廃棄物の最終処分場をめぐって、立地村が建設の禁止を求めていた裁判の一審判決が出ました。判決は、「建設禁止」で村側の勝訴。
 
 訴えていたのは長野県美麻村。長野県大町市の産業廃棄物処理業者が美麻村村内に最終処分場を作る計画を立てたことに対して、村は、「村営水道の水源が汚染される可能性がある」などの理由で建設の差し止めを求めていました。
 この処分場は、安定型と呼ばれるもので、廃プラスチックやガラスなどの比較的安定したものだけを処分するタイプであることから、業者側は「環境に影響を与えることはない」と反論していたとのこと。
 
 長野地方裁判所松本支部での判決では、「他の廃棄物が混入し、有害物質がしみ出してくる恐れまでは否定できない」と指摘、建設差し止めを認めたとのこと。判決の抜粋ということだと思いますが、読売の記事から引用すると「安定型であっても重金属、ダイオキシン、環境ホルモンなどの有害物質が検出されたり、異常な汚れや臭気を伴った汚水の排出は避けられない」と、けっこうばっさりと業者側の主張を切って捨ててます。
 
 
●汚染の危険、美麻村は建設差し止め
 
 1月26日、長野地方裁判所松本支部は長野県美麻村に計画された産業廃棄物最終処分場を巡る裁判で、建設場所が水源の汚染の危険があると認め、建設差し止めを認める判決を下した。
 これは、水源が汚染されるとして長野県美麻村が業者を訴えていたもので、94年に長野県大町市内の廃棄物処理会社が美麻村に安定型の産業廃棄物最終処分場を計画していた。
 美麻村は、処分場計画地が位置する谷の約500m下方の地点から地下水を汲み上げ、水道に使用している。
 これに対して裁判所は,「安定型処分場でも,実際には安定品目以外の廃棄物が埋め立て処分され,周辺環境などを汚染している例が見られる。被告の中間処分場でも,安定品目以外の廃棄物を確実に選別できるとは認めがたい」とした。そのうえで,「被告の主張する汚染防止策では汚染物質の漏出を完全に防ぐことはできず,水源が汚染されるのは確実」との判断を下した。
 これが平木工業(本社・長崎市三京町)の計画と同じ、美麻村・安定4品目の判決結果である。
 今回の長野県美麻村の住民にとって救いなのは、村(行政)が自主的に差し止めの裁判を起こしたことである。
 長崎市民にとって不幸なのは、長崎市(行政)が業者(平木工業)と同じ立場に立って産廃処分場を推進していることである。
 うがった見方をすれば、伊藤市長は政治資金規制法の範囲とは言え、過去に平木工業及び関連企業から政治献金を受け取っていた経緯もあり(平成9年度分の48万円は、平成10年11月9日に返却)、業者に便宜を図っていたと思われてもしかたがない。
 北消防署移転問題と言い、今回の問題と言い、およそ平和都市の市長として、民意を軽んじすぎてはいないだろうか。
 
 
宮城・村田の産廃処分場 濃い硫化水素検出
 
2001年6月7日(木)/河北新報
 
 村田町沼辺の「竹の内産廃処分場」で硫化水素による悪臭が発生している問題で、県が処分場内の硫化水素濃度を調査した結果、埋め立て地の地中のガスを集めて排出するガス抜き管の一部から、極めて高濃度の硫化水素が検出されていたことが6日分かった。
 
 県廃棄物対策課によると、5月2日に実施した住民との合同調査で、予想を超える濃度の硫化水素が検出されたため、観測地点を増やして5日に再調査。処分場内の5カ所のガス抜き管、地表や敷地境界など計70地点で硫化水素濃度を測定した。
 
 調査の結果、今年3月に埋め立てを終了し、先月の調査で4000ppm超を観測した、第7工区のガス抜き管開口部では21000ppmを検出。吸着剤、活性炭を併用した脱臭処理後も60−100ppmが出た。一方で埋め立てから1年以上が経過している2カ所のガス抜き管では、0.05ppm以上が測定可能な検知管で、数値を確認できなかった。
 
 県によると、硫化水素は0.005ppmで人が感知し、700ppm以上で死亡するとされる。
 
 県は調査結果を重くみて、従来の吸着剤に代わる新たな脱臭対策を検討する方針。早急に処分場を経営する業者と対応策を協議する。
 
 

 
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