Last Update : 2005/06/08

  「あいちの環境を考える仲間たち」のホームページ

 

★してはいけないリサイクル★
=放射能を含む産廃のリサイクルはやめて!=

フェロシルト・酸化チタン廃棄物関連資料



【目次:フェロシルト・酸化チタン廃棄物関連資料】 
 平成2年、岡山県産業廃棄物処分場で通常より高いレベルの放射線が検出され、酸化チタン工場の廃棄物であることが判明。鉱石、廃棄物の放射能濃度は、「原子炉等規制法」が適用されるほどのものではないと、関係4省庁の指導により自主管理規程を作成。日本酸化チタン工業会加盟各社は、自主管理規程に基づき定期的な測定と管理の徹底を図り、測定値を行政当局へ報告することとなった。
 その後、産業廃棄物最終処分場に埋め立てられてきたが、関係省庁が知らぬ間に放射能を含んだ廃棄物が「リサイクル」され、産廃の不法投棄さながらの状況で野積みされたり、谷に投棄されるという事件が、愛知・岐阜で起きている。
◆H02.09.07 関係省庁「チタン鉱石問題に関する基本的対応方針」を通達
◆H03.06.06 関係省庁「チタン鉱石問題に関する対応方針」を通達
◆H11.09.11号 週刊現代に、酸化チタン廃棄物の問題が掲載される
◆H13〜H14 三重県三重県産業廃棄物抑制等事業実績一覧(平成17年3月現在):石原産業、汚泥や硫化コバルトの再生に補助金をもらう。miehojokin1.pdf
◆H15.06.23 放射線出るチタン残渣、秋田で土地造成用に20万トン(朝日新聞)
◆H13〜H14 三重県三重県産業廃棄物抑制等事業実績一覧(平成17年3月現在):石原産業、酸化チタン廃棄物の汚泥や硫化コバルトの再生に補助金をもらうpdf
◆その他 環境科学研究所(低レベル放射性廃棄物の微生物による水溶性について
放射線まめ知識
石原産業、過去の酸化チタン廃棄物の処分状況




★平成2年 チタン鉱石問題に関する基本的対応方針
チタン鉱石問題に関する対応方針  

                               平成2年9月7日
                               科学技術庁
                               厚生省
                               通商産業省
                               労働省  

 チタン製造工場からの廃棄物の一部から通常より高いレベルの放射線が検出された本問題への対応について、関係省庁で協議し、以下の通りまとめた。

1.当面の措置(2.の検討が終了するまでの間)の実施
(1)空間放射線量率等の目安
@ 工場、処分場の敷地境界は、通常のバックグラウンドレベル程度に管理することとし、必要に応じ、廃棄物の移動、盛り土等の措置を講ずること。
A 従業員の作業環境中は、電離放射線障害防止規則に定める基準以下であることを確認すること。

(2)管理の方法
@ 工場、処分場及びそれらの周辺において空間放射線量率の測定を定期的に実施し、記録すること。
A 通常のバックグラウンドレベル程度を越える場所はさく等で区画し、人がみだりに立ち入らないようにすること。
B 鉱石、廃棄物については、飛散・流出防止、吸入防止のための措置を講ずること。
C 排気、排水については、その放射能濃度が法令(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規則に関する法律に基づく規則及び告示)で定める濃度限度を下回るよう、必要に応じ所要の措置を講ずるとともに定期的にチェックすること。
D 処分場における廃棄物は、今後検討される最終的措置に対応できる状態に保つこと。また、今後廃棄物を産業廃棄物の処理施設に持ち込む場合についても、最終的措置に対応できるよう他の廃棄物との分別を徹底し、当該廃棄物の監視状況(搬入日、搬入量、存在場所等)を記録、保存すること。
E 鉱石、廃棄物を輸送する際には、飛散・流出防止、吸入防止の措置を講ずること。
F 従業員の健康管理について適切な措置を講ずること。

(3)その他
@ 鉱石の購入に当たっては、事前に放射能のチェックを行うこと。
A 極力放射線レベルが低い鉱石を使用すること。

2. 最終的措置の検討及び実施
 今後、工場、処分場についての詳細な調査等を踏まえて、安全評価等を実施し、最終的措置の検討を行い、必要な措置を講ずる。


★平成3年 チタン鉱石問題に関する対応方針
チタン鉱石問題に関する対応方針  

                               平成3年6月6日
                               科学技術庁
                               厚生省
                               通商産業省
                               労働省  

 チタン製造工場からの廃棄物の一部で通常より高いレベルの放射線が検出された本問題への対応については、科学技術庁、厚生省、通商産業省及び労働省の関係4省庁で協議し、平成2年9月7日に「チタン鉱石問題に関する基本的対応方針」を取りまとめた。この方針においては、当面の措置の実施について示したが、それ以後、工場、処分場についての詳細な調査を実施するとともに、それを踏まえて安全評価等を実施した。
 この結果、以下のことが明らかとなった。

@ 工場、処分場の敷地境界では空間放射線量率はバックグラウンドレベル程度となっていること、排気、排水とも原子力施設に係る濃度限度を十分下回っていること等から、公衆の被ばく線量は一般公衆の実効線量当量限度である1mSv(ミリシーベルト)/年以下である。
A 工場、処分場の従業員の被ばく線量は、作業環境中の空間放射線量率等から評価した結果、一般公衆の実効線量当量限度である1mSv/年以下である。なお、鉱石を建屋に保管しており発じんしやすい環境にある工場の従業員を対象にホールボディカウンターによる計測を実施するとともに、各工場において従業員(退職者も含む。)等2,500人以上を対象に健康診断を実施したが、異常は認められなかった。
B 過去の処分場については、通常想定されうる跡地利用の可能性を考慮しても安全上問題がない。
C 今後の廃棄物の放射能レベルについては、使用鉱石の放射能レベルを低減すること等により、十分安全なレベルまで低減することが可能である。
 以上を踏まえ、今後とも安全性を十分維持するために本件に関する最終的措置の検討を行い、関係4省庁で協議を行った結果、この度、チタン鉱石問題に関する最終的措置として、「チタン鉱石問題に関する対応方針」を以下のとおり取りまとめた。

1. 講ずるべき措置等
(1)工場

@ 空間放射線量率の測定を定期的に実施し、記録すること。
A 敷地境界において通常のバックグラウンドレベル程度に保つとともに、通常のバックグラウンドレベル程度を超える場所については、人がみだりに立ち入らないようにすること。
B 鉱石、廃棄物について、飛散・流出防止、吸入防止のための措置を講ずること(輸送中も含む。)。
C 敷地境界における大気、排水について、その放射能濃度が法令(「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」に基づく規則及び告示)で定める濃度限度を下回っていることを、定期的に確認すること。
D 作業環境が法令(電離放射線障害防止規則)に定める基準を下回っていることを、定期的に確認すること。
E 鉱石、廃棄物について空間放射線量率の測定で通常のレベルより高い値が測定された場合には、そのつど放射能濃度の測定を実施し、そのレベルが法令(電離放射線障害防止規則)で定める基準を下回っていることを確認すること。
F 使用鉱石については、輸入のつど空間放射線量率等の測定を実施し、その放射能レベル・使用量を管理し、廃棄物の放射能レベルをできるだけ低くするよう努めること。
G 工場外に持ち出す廃棄物は、廃棄物に起因する空間放射線量率の目安が、0.14μGy(マイクログレイ)/h以下であるものに限ること。このため、持ち出す前に空間放射線量率の測定を行い、これを確認し、記録すること。(注)

(2)旧処分場(過去にチタン製造工場から廃棄物が搬入された処分場であって、現在埋立て中のものを含む。)
@ 地方公共団体は、廃棄物の流出のないこと、跡地利用の状況等旧処分場の状況を把握し、特に、大規模に跡地利用される場合には、科学技術庁及び厚生省に事前に通知すること。
A 事業者は、埋立てが終了している旧処分場で覆土が50cmに満たない場所は、跡地利用の可能性等を考慮しつつ、原則として50cm程度の覆土をすること。
B 現在埋立て中の旧処分場で、通常のバックグラウンドレベルを超える場所がある場合には、暫定的に
(1)A及びBに準じた措置を講じつつ、可能な段階で早急に覆土すること。

(3)今後廃棄物を搬入する処分場
 今後、廃棄物に起因する空間放射線量率が0.14μGy/h以下の廃棄物を搬入する処分場については、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づき、適切に処分すること。

2. 測定結果等の届出
 事業者が、上記の測定及び確認等を実施したときは、定期的にその結果を地方公共団体を経て関係4省庁に届け出ること。

(注)目安とする0.14μGy/h以下のレベルは、その場に1年間365日居続けた時、外部被ばくによる実効線量当量が一般公衆の実効線量当量限度である1mSv/年以下となるレベルである。

      
★週刊現代 H11年9月11日号
 「酸化チタン」という物質をご存じだろうか。チタン鉱石を原料に生成されるもので、自動車の塗装、印刷インキ、プラスチックなどの白色顔料として使われている、ごく日常的な化学物質だ。
ところがこの酸化チタンの原料となるチタン鉱石の中には、トリウムという危険な放射性元素が含まれている。そのため、その生成の過程で排出される汚泥は、放射能を持つ。
しかも、この「放射性産廃」は、原発から排出される廃業物より、はるかに危険な「ゴミ」なのだ。

 この問題に詳しい京都大学原子炉実験所の小出裕章氏 が、警鐘を鳴らす。

 「そもそも、廃棄物の総量が大きな危険を孕んでいます。酸化チタン生成の過程で、日本では年間60万tもの放射性廃棄物が、過去三十数年にわたって全国各地に投棄されました。
その量がいかに膨大かというと、過去30年間に原子力発電所が出した放射性廃棄物の総量は、200Lのドラム缶で50万本。一方、酸化チタンの汚泥は、たった1年間で300万本に達するのです」

 かつてマレーシアにおいて、大きな「公害事件」が起きた。80年代、三菱化成(当時)の傘下にあった企業の杜撰な放射性廃棄物管理の結果、付近の村で白血病や流産・死産、胎児性の障害者などが続出。公害訴訟が起こって現地からの撤退を余儀なくされた。この、村ひとつを壊滅させた恐るべき物質こそ、トリウムなのだ。

 こうした処分場は、秋田県岩城町、福島県いわき市、三重県四日市市、大阪府堺市、兵庫県宝塚市、岡山県邑久町などの各地に存在する。それらは、数十haという広大な面積を占め、数十万〜数百万tの膨大な汚泥が廃棄されてきた。これらは「放射性廃棄物処分場」とはされていないため、住民は、その危険性をまったく知らされていない場合も多い。

渓流は「赤い水」で変色していた

 本誌はまず、秋田県岩城町の処分場を取材した。

 岩城町は、秋田市の南隣りに位置する町だ。町の西側は日本海で、夏には海水浴場も開かれる。件の処分場は、海岸からわずかlOOmほどの距離まで迫った、森林の中に存在する。処分場の広さは、約13ha。東京ドームおよそ10個分という、広大な土地である。岩城町の町議会議員・山崎真美氏が、こう語る。

 「この処分場は、当初は養鯉場という名目で、84年に当時の町長の肝入りで土地の売買が行われたんです。ところが実際は、工場から出るチタン廃棄物の処分場ができた」

 処分場には、日中、ひっきりなしに汚泥を積んだダンプが出入りする。このチタン産廃の汚泥は、本来、輸送の際は飛散しないようにカバーをかけて運ばなければならない。
ところが、このページにある写真でも分かるように、汚泥は剥き出しのまま、ダンプに積載されているのである。

 処分場に汚泥を運び込むダンプ

  処分場の周囲には、渓流が流れている。だが、その川底や川岸は、赤く変色していた。ちょうど処分場の裏手に当たる位置に、処分場に溜まった水を処理・排水する施設があり、そこから「赤い水」が放出されているからだ。赤くなるのは、汚泥のなかに鉄分が含まれているからで、その鉄分は放射能を持つ疑いが強い。施設の放水口付近のコンクリートは、不気味な赤茶色に染まっていた。

 この処分場を管理するA社は、危険をこう否定する。

 「埋め立てているのは、『鉱滓』という人工土で、これは天然の土と変わりありません。放射能に関しても、科学技術庁、通産省、労働省、厚生省による通達にしたがっており、基準内となっています」(A社環境安全管理室長)

 A社では、定期的に放射線測定もしており、その結果は、これまで何ら問題はないという。だが、A社など企業が盾にとっている、国の「通達」自体が、そもそもデタラメだと指摘する専門家は多い。

 この「通達」とは、90年に前出の4省庁によって出された『チタン鉱石問題に関する基本的対応方針』などの文書である。これらが“お墨付き”を与えている一般人の許容年間被曝量はlmSv(ミリシーベルト。人間が被曝する場合の被曝量を表す)。だがこの「1mSv」という数値は、実はたいへん危険な意味を持つ。

 福島県でチタン廃棄物の処分場建設反対運動を続ける市民団体「産廃処分場建設の白紙撤回を求める会」の田子耕一事務局長がこう語る。

 「廃棄物の中で、厳重管理・規制されているものに、原子力発電所から出る放射性廃棄物があります。ところが、原発の廃棄物は、年間被曝量0.01mSv以下にせよ、と規制されている。つまり、チタン廃棄物は、危険とされる原発廃棄物より、被曝量が1OO倍まで許容されたまま、廃棄されているんですよ」

 福島では、いわき市の平上荒川地区に、関西に本社を置くB社の処分場がある。市内にはB社がすでに埋め立てを終えた土地があり、さらに、今後もう一つの処分場が、同じく市内に設置される予定だ。

子供の遊び場に産廃がゴロゴロ

 さらに本誌は、90年以降、酸化チタン廃棄物問題の端緒となった、岡山県邑久町も取材した。、岡山市の東隣にある邑久町と牛窓町付近は、70年代後半から廃棄物の処分場となっていた。90年に、ここで年換算で許容量の18倍という異常な放射線が検出され、騒然となった。だが、当時は業者が「覆土」などの措置を行ったということで、即座に「安全宣言」がなされた。

  本誌はここに、簡易型放射線測定器を持ち込んだ。 「安全」である以上、数値は他の地域と同レベルのはずだ。ところが、邑久町と岡山市の境界を流れる吉井川沿いの公団住宅付近で、年換算の被曝量で2.6mSv(γ線のみ計測)、つまり許容限度の2.6倍となる放射線を検出した。

 本誌が放射線を検出した岡山県内の地点

  マレーシアの事件で、現地に入りトリウム汚染の実態調査を行った、埼玉大学理学部 の市川定夫教授は、放射線の恐怖を、こう警告する。

 「放射線は、年間の被曝量が0.25mSv増加しただけで、ガンの発生率が2倍になるといわれている。しかも、国の基準の1mSvというのは、放射線のうちのγ線のみの数値です。
しかし、放射線で最も危険なのはα線で、これはγ線の皿10〜200倍の危険性があるとされています。本当に恐ろしいのは、このα線を放射する鉱石の粉末が飛散して人体内に入り、“内部被曝”してしまうことなんです」

 70年代、アメリカのウラン採掘現場で働いていたネイティブ・アメリカンの人々が、放射線被曝により、白血病やガンで多数の死者を出した。

 「このときも、γ線の数値が 低いから、安全だといわれていたんです。しかし、実は放射能を帯びた粉塵が呼吸などを通じて体内に入り、α線の内部被曝をしていたということが後に判明しました」(前出・市川教授)

  使い終えた処分場は、やがて住宅地として造成されたり、公園、グラウンドなど公共施設になったり、なんと畑になっている場合もある。

 「規制もなかった当時の、いまよりさらに高濃度だった放射性廃棄物がどう処分され、埋め立て跡地が何に使われているのか、誰も把握できない。岡山では、グラウンドで遊ぶ子供たちの横に、明らかにチタン産廃と思われる赤土がゴロゴロしている。これを手で触り、粉塵を吸ったりすれば、相当の内部被曝になります」(前出・小出氏)

 チタン産廃に含まれるトリウムの半減期は141億年。地球が存在するかぎり消滅しない、この恐るべき物質を、このままタレ流し続けていいのか。


★H15年06月23日 放射線出るチタン残滓、秋田で土地造成用に20万トン(朝日新聞)
 非鉄金属の最大手・三菱マテリアル(東京)の子会社が、酸化チタン製造の際に生じる廃棄物で放射線が出るチタン残滓(ざんさい)を70年代から秋田県内の数カ所に埋めたまま国に届けず、安全検査もしていないことがマテリアル社の内部調査でわかった。土地造成用に「人工土」として提供し、総量は約20万トンとみられる。同社は「安全性に問題ないと思うが、早急に現地調査をする」とし、同県に協力を申し入れ、一部について調査を始めた。

 子会社は東北化学(秋田市)。72年4月に事業を始め、82年に同じ子会社のトーケムプロダクツ(同)が事業を継承したが、採算面から00年に解散。マテリアル社が02年4月に産業廃棄物処分場の管理を引き継いだ。

 マテリアル社によると、引き継いだ際、「チタン残滓を処分場以外にも埋めた」と伝えられたことなどから事態を重視。過去の資料などで投棄状況の調査を始めた。

 それによると、00年までの28年間で約358万トンのチタン残滓を排出。72〜78年は秋田市の新屋浜処分場、その後6年間は同市内の旧秋田空港用地、それ以降00年までは秋田県岩城町の雪川処分場に埋め立てていた。

 一方で、74年から一部を「人工土」として秋田市内を中心に無償で提供したことが判明。約5年間で、同県内の峰吉川小学校(協和町)や旧県農業試験場グラウンド(秋田市、現在は県埋蔵文化財センターが使用)など少なくとも7カ所に計約20万トンを埋めたという。

 チタン残滓をめぐっては90年7月、岡山県内の処分場で通常の20倍の放射線が検出され、科学技術庁(当時)などがメーカー7社の調査を指示。その報告を受けて国は91年6月、工場や処分場などでの放射線量は基準以下だったとして「安全宣言」をした経緯がある。

 しかし、トーケム社は当時、秋田県内の処分場2カ所と旧秋田空港用地、運転試験場の計4カ所と工場敷地内については報告したが、その他の場所については放射線量の検査などをせず、報告もしなかったという。

 国は91年に廃棄物を処分する場合には50センチ以上の盛り土を指示しており、マテリアル社は関係個所について基準を満たしているかどうかも調べる必要があるとしている。

 約4万トンが埋められた峰吉川小グラウンドは現在も土のまま使用されている。マテリアル社は、朝日新聞の取材を受けた後の20日、国に一連の事情を報告。国の指導も受けて21日に同小を調べたが、自然放射線レベルだったという。同小は「グラウンドは普段から授業で使っているが、特に異常はない。とりあえず基準値内ということで一安心した」と話している。

 マテリアル社広報・IR室は「人工土の提供は秋田県などと契約を結び違法ではない。90年に廃棄物すべてを調査して国に報告すべきだったのにしなかった理由は不明で、経緯を調べたい。子会社のこととはいえ、地域住民に不安を与える恐れもあることから放射線量の調査や対策などできることをやっていきたい」と話している。

★放射線まめ知識
被ばくの区分には、 (1) 職業被ばく、 (2) 公衆被ばく、 (3) 医療被ばくの3つがあります。
 一般公衆の受ける年間線量限度は1ミリシーベルトですが、この中には医療被ばくによる線量は含まれていません。



★石原産業、過去の酸化チタン廃棄物の処分状況
★ 環境保全事業団の処分場跡地
・内山処分場:空き地
・小山処分場:ガス化溶融炉
・小林処分場:野球場
・川越処分場:体育館、テニスコート

★ その他アイアンクレーが多く埋められているところ
・霞第3コンビナート、霞北埠頭
・楠町吉崎


 平成17年6月、楠町吉崎の過去にアイアンクレーが埋められた場所を訪れた。その場所は、ところどころに赤い土が顔を見せていた。放射線量を測ると「1μSv/h」を越えた。その数値は、原発問題の活動をしている方が、原発事故が起きたとき避難をしようと決めている値とか。
 しかし、あの平成3年に作られた
「チタン鉱石に関する方針」さえ守られず、過去の処分場や埋立をした場所がこのような状況であることにも驚きである。
-----(以下、酸化チタン廃棄物に関する方針より)-----

(2)旧処分場
(過去にチタン製造工場から廃棄物が搬入された処分場であって、現在埋立て中のものを含む。)
@ 地方公共団体は、廃棄物の流出のないこと、跡地利用の状況等旧処分場の状況を把握し、特に、大規模に跡地利用される場合には、科学技術庁及び厚生省に事前に通知すること。
A 事業者は、埋立てが終了している旧処分場で覆土が50cmに満たない場所は、跡地利用の可能性等を考慮しつつ、原則として50cm程度の覆土をすること。
B 現在埋立て中の旧処分場で、通常のバックグラウンドレベルを超える場所がある場合には、暫定的に(1)A及びBに準じた措置を講じつつ、可能な段階で早急に覆土すること。