Last Update : 2005/11/22


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★してはいけないリサイクル★
=放射能を含む産廃のリサイクルはやめて!=
「フェロシルト」問題
平成17年10月12日〜の新聞報道


10/12 【石原産業、他の廃液(産廃)混入を認める】
フェロシルトに産廃を混入 業者が岐阜、三重県に謝罪


 大阪市の化学メーカー「石原産業」が製造、販売していた埋め戻し材「フェロシルト」を用いた造成地などから環境基準を超える有害物質が検出された問題で、同社は12日、県内で使われた岐阜、三重両県に社内調査結果を報告、謝罪した。
 調査結果によると、申請では酸化チタンの製造過程で発生する廃硫酸をフェロシルトの原料としていたが、塩素を使う
別の工程で出た産業廃棄物の廃液を、同社の処理コスト軽減のために混入していたという。
 また、両県が5−6月に同社にサンプルの提出を求めたのに対し、有害物質が含まれていない別のサンプルを提出していたことも判明。不正が明らかになった後に再提出したサンプルからは、環境基準の1・25−1・6倍の六価クロムやフッ素が検出された。
 両県は、同社の告発も含め対応を検討している。
(共同通信) - 10月12日21時59分更新
10/15 埋め立て材に六価クロム混入か、愛知県が近く撤去命令

 大手化学メーカー「石原産業」(本社・大阪市)が製造した土壌補強材「フェロシルト」に本来の製造工程では含まれない廃液が混入されていたことが明らかになり、愛知県が、廃棄物処理法に基づき、廃液成分などについての報告書を提出するよう同社に求めたことが15日、わかった。
 同社は出荷時のフェロシルトに有害物質の六価クロムが混入している可能性を認めており、県は報告書をもとに、フェロシルトを産業廃棄物と認定し、近く撤去命令を出す方針だ。
 フェロシルトは東海地方を中心に埋め立て材として使用されており岐阜、三重県も同様に撤去命令を検討している。
 フェロシルトは、酸化チタンの製造工程で出る汚泥のリサイクル製品で、土砂の採取後の埋設土として開発され、2001年から2005年4月まで東海地方、京都を中心に約72万トンが出荷された。今年春、使用した埋め立て地などから環境基準値を超す六価クロムが相次いで検出された。
(読売新聞) - 10月15日23時57分更新

2005.10.15中日新聞
石原産業のフェロシルト
愛知、岐阜県が撤去命令へ


 愛知県瀬戸市内三カ所で土壌埋め戻し材「フェロシルト」計約二十八万トンが使われた問題で、同県は十四日、製造元の石原産業(本社大阪市)に対し、十月中にも廃棄物処理法に基づく撤去命令を出す方針を決め、同社に製造工程や廃液の混入経過に関する報告書の提出を求めた。岐阜県も同日、撤去済み一カ所を除く県内九カ所で、撤去命令を出すことを決定し、近く手続きに入る。
 報告書の提出を求めるのは、本来の製造工程と異なり、廃液などが混入されたフェロシルトと、土壌汚染の因果関係を特定するための措置。愛知、岐阜両県は報告書をもとに産廃と認定、撤去命令を出す。愛知県は、従わない場合は告発も検討する。提出期限は一週間としている。
 一方、三重県も同日、愛知、岐阜両県と環境省を交えて都内で開いた会議で、同社に報告書を求めることで足並みをそろえた。撤去命令については、今後検討する。

 
瀬戸市内の一カ所では環境基準の四十倍の六価クロムが検出された。しかし、フェロシルトは三重県がリサイクル認定した商品とみなされ、愛知県は検出後も自主回収の行政指導しかできなかった。瀬戸市内三カ所のうち同市幡中町では、約十八万トンのフェロシルトが約二百万トンの土砂の中に混ぜられている。愛知県が撤去命令を出しても、膨大な土砂の搬出先が大きな課題となりそうだ。

 ただ、
現行の廃棄物処理法では、今回のように製造元が製品に廃液を混ぜ、第三者が知らずに購入、利用し、汚染が発生したケースについて、明確な処分規定がない。
 このため、行政処分に当たっては十分な法解釈が必要となる。仮に「土壌汚染の事実」に限って撤去命令を出した場合は、環境基準を超えていない地域の撤去問題が新たに浮上する可能性もある。

2005.10.15毎日新聞三重版
フェロシルト問題:石原産業四日市工場、本格立ち入り調査へ−−知事会見 /三重

 ◇「早急に撤去させる」
 化学メーカー、石原産業(本社・大阪市)が土壌埋め戻し材「フェロシルト」に産業廃棄物になる廃液を不正に混入していた問題で、野呂昭彦知事は14日の定例会見で、週明けから本格的に四日市工場の立ち入り調査を実施するとともに、同社にフェロシルトを早急に撤去させる考えを示した。
 野呂知事は「誠にゆゆしきこと。怒りに似たものを感じた」と不快感を示した上で、「来週早々に岐阜、愛知を含めた3県合同で同社の担当者から事情聴取し、フェロシルトの偽造の経緯、混入廃液の性状と量、有害性の有無など詳細な状況を調べたい」と語った。
 さらに、週明けから工場の本格的な立ち入り調査を行うための準備として、13日に5人、14日に12人の職員を同社に派遣したことを明らかにした。調査は庁内に設置した副知事をトップとする関係部局による組織と、有識者らによるフェロシルト問題検討委員会が連携して対応する。
 また、周辺住民の不安を払しょくするため、「同社に回収計画を提出させ、3県で情報を共有しながら早急にフェロシルトを撤去させる」と述べた。
 一方、フェロシルトをリサイクル製品に認定した県の責任について「虚偽の書類を申請していた事実は把握していなかった。善意に基づく申請でなかった点を考えて検討していかなければならない」と語った。【田中功一】
〔三重版〕
毎日新聞 2005年10月15日

毎日新聞 2005年10月15日
三重県発表
フェロシルト試作品の分析結果について

http://www.pref.mie.jp/TOPICS/2005100210.htm
10/16 メ〜テレニュース
2005年10月16日18:07:49

フェロシルト問題でメーカー・三重県・市民が懇談 メーカーの対応に市民から批判相次ぐ

土壌埋め戻し材フェロシルトを使った土地から有害物質が検出された問題で16日、メーカー、三重県、市民グループの3者による懇談会が行われ、メーカーの対応を市民が厳しく追及しました。

フェロシルトについてはメーカーの石原産業が製造過程で産廃の廃液を混入していたり、県にニセのサンプルを提出していたなどの事実が明らかになっています。16日の3者懇談会では、東海3県の市民グループが有害物質が発生する可能性を認識していたかどうかや、撤去の時期などについてメーカー側を厳しく追及しました。
石原産業は産廃の廃液が混入がなくても有害物質が発生する可能性があったことを認め、「すべての撤去には1、2年かかる」との見込みを示しました。
環境基準の倍の六価クロム フェロシルト、申請通りで

 大阪市の化学メーカー「石原産業」が埋め戻し材「フェロシルト」に廃液を混入していた問題で、三重県は16日、同社の申請通りの工程で製造した試作品から、環境基準の2倍に当たる六価クロムが検出されたと発表した。
 県は環境への影響は少ないとしているが、同社に過去の製造工程などに関するデータの提出を求めていく。
 県によると、試作品からは基準の2倍に当たる1リットル中0・10ミリグラムの六価クロムを検出。フッ素も検出されたが、基準以下だった。
 試作品は同県のフェロシルト問題検討委員会が依頼し、今年4月にフェロシルトの生産を停止した同社四日市工場(同県四日市市)を再稼働させて製造させた。
(共同通信) - 10月16日16時47分更新
10/17 石原産業を立ち入り検査 フェロシルト問題で三重県

 大阪市の化学メーカー「石原産業」が埋め戻し材「フェロシルト」の申請を偽り、廃液を混入させていた問題で、三重県は17日、廃棄物処理法に基づき、石原産業本社(大阪市)を立ち入り検査した。
 検査は関係書類の保全が目的で、同県環境森林部の担当者がフェロシルトの製造や混入した廃液に関する資料などを確認。同県は今週中にも岐阜、愛知両県と合同で同社四日市工場の本格的な立ち入り検査と、関係者の聴取を始める予定。
 三重県によると、四日市工場の元副工場長(68)が2002年1月から今年3月までの間、部下に指示して約33万トンのフェロシルトに産廃の廃液約14万トンを混入させていた。
(共同通信) - 10月17日10時26分更新

2005.10.17中日新聞
環境基準の倍の六価クロム
フェロシルト、申請通りに試作


 大阪市の化学メーカー「石原産業」が埋め戻し材「フェロシルト」に廃液を混入していた問題で、三重県は16日、同社の申請通りの工程で製造した試作品から、環境基準の2倍に当たる六価クロムが検出されたと発表した。

 県は環境への影響は少ないとしているが、同社に過去の製造工程などに関するデータの提出を求めていく。

 県によると、試作品からは基準の2倍に当たる1リットル中0・10ミリグラムの六価クロムを検出。フッ素も検出されたが、基準以下だった。

 試作品は同県のフェロシルト問題検討委員会が依頼し、今年4月にフェロシルトの生産を停止した同社四日市工場(同県四日市市)を再稼働させて製造させた。

2005.10.17中日新聞
空港建設狙い大量生産
フェロシルト不採用で販売急ぐ


 土壌埋め戻し材「フェロシルト」をめぐる問題で、製造元の化学メーカー・石原産業(本社大阪市)は、愛知県常滑市沖の中部国際空港の埋め立てへの使用を当て込みフェロシルトを大量生産していたことが分かった。十六日、三重県桑名市で開かれた東海三県の市民団体と同社、三重県による「フェロシルト三者懇談会」で明らかになった。

 三重県などによると、同社は一九九八年一月にフェロシルトの試作品の生産を始め、ほぼ同時期に空港の埋め立てに使用する話が社内で浮上。廃液混入を主導したとされる元四日市工場副工場長らを軸に、フェロシルトの総生産量七十二万トンの半分以上にあたる約四十万トンを二〇〇一年七月までに生産した。

 しかし、二〇〇〇年八月から同空港の埋め立て工事に着手した同空港会社は〇一年、「フェロシルトは粒子が細かく、海面埋め立てに適さない」として不採用を決定。石原産業は直後の同年八月から東海三県への販売を始めた。

 同社幹部は「販売先が決まらず、四日市工場内に積まれていた時期もあった」と話しており、販売当初から大量の在庫を抱え、販路拡大を急いだために、各地に出回る結果になったとみられる。

 この件について中部国際空港会社は「担当者がいないため、事実や経緯を確認できない」としている。

中日新聞2005.10.17夕刊
三重県が石原産業本社立ち入り
フェロシルト 廃液混入で調査


 化学メーカーの石原産業が土壌埋め戻し材「フェロシルト」の製造に際して認定外の廃液を混入した問題で、三重県は十七日、廃棄物処理法に基づき、大阪市西区の石原産業本社に対する抜き打ちの立ち入り調査を行った。本社への立ち入り調査は初めて。

 混入に至る経緯や、販売にあたって混入の事実を社内でどこまで把握していたかなどを調べるのが目的。混入時の意思決定に関する書類などの任意提出や保全を求めているものとみられる。

 三重県は近く、フェロシルトを製造していた同県四日市市の四日市工場でも立ち入り調査を行い製造ラインや廃液を混入した配管などを調べる。

 愛知、岐阜両県は同法に基づく撤去命令を出す方針を示しているが、三重県環境森林部は「同社がフェロシルトを産廃と認識した上で商品として処分したことが判明し、さらに、埋められた土壌に汚染の危険があると確認できれば、撤去命令を出す」と慎重な姿勢を崩していない。立ち入り調査や幹部への聞き取り、同社に求めた報告書などを基に判断する方針だ。

メ〜テレニュース
2005年10月17日12:10:19
フェロシルト問題で三重県が大阪にある石原産業の本社に立ち入り検査

三重県四日市市にある石原産業の工場が製造した土壌埋め戻し材「フェロシルト」に産業廃棄物の廃液が混ぜられていた問題で、三重県は17日、大阪にある石原産業の本社を立ち入り検査しました。

大阪市西区にある石原産業本社には17日午前10時、三重県の職員6人が入りました。「フェロシルト」は三重県がリサイクル製品として認定していましたが、申請した製法とは異なって産廃の廃液が混入されていたうえ、申請どおりに作られた試作品のフェロシルトからも環境基準の2倍にあたる六価クロムが検出されていたことも分かっています。三重県は、石原産業を廃棄物処理法違反の疑いで告発することを検討していて、17日の立ち入り検査では一連の問題に関する書類の調査が行われる予定です。

東海テレビニュース
石原産業本社に三重県が立ち入り調査 10/17(月) 11:55更新

土壌埋め戻し材の「フェロシルト」を製造する際、廃液を不正に混ぜていた石原産業に対し三重県はけさから、立ち入り調査を始めました。きょうの立ち入り調査は廃棄物処理法に基づいて行われ、午前10時に三重県の職員6人が大阪市の石原産業本社に入り調査を始めました。これまでの調べで、化学メーカーの石原産業は平成15年9月に三重県からリサイクル製品の認定を受けていた「フェロシルト」に工場廃液を不正に混ぜていたことがわかっています。調査ではフェロシルトの製造日報など製造に関わるすべての書類を確認するほか書類が廃棄されないようリストアップする作業が行われています。三重県では今後リストアップされた書類をすべて検討した上で必要な書類に対し提出を求めていく方針です。
10/19 (10/19)
フェロシルト、今月中にも撤去命令 石原産業工場に県など立ち入り検査

 土壌埋め戻し材「フェロシルト」をめぐり、重金属を含む廃液混入などをしていた製造元の石原産業四日市工場(三重県四日市市)に対し、県と岐阜市は十八日、三重や愛知県などと合同で廃棄物処理法に基づく立ち入り検査に踏み切った。県内には十一カ所に四万トンを超えるフェロシルトが使用されたとみられる。県は産業廃棄物との見解を固めており、今後は会社側が提出する報告書とともに最終的な詰めを行い、今月中にも県内から撤去させる措置命令を出す方針だ。(石川 浩)

 「立ち入り検査が終了しました」。十八日午後六時前、県不適正処理対策室に報告が入った。立ち入り検査は県と市の計五人が加わり、製造施設の検証や事情聴取のほか、混入したとされる廃液も採取した。他県との合同検査は異例だ。

 県内では二〇〇一年十一月以降、可児、瑞浪、土岐、恵那、美濃加茂、本巣、岐阜市の十一カ所での使用が判明。放射性物質を含むとして住民不安が増す一方、今年六月、県の分析で環境基準を超える六価クロムなどが検出され、石原産業はようやく自主撤去を申し出た。

 ところが、石原産業は今月になって「廃液を混入させていた」「出荷時から環境基準を超す六価クロムなどが検出する可能性がある」などと説明を一転させた。

 
県は「埋め戻し材に名を借りた産廃」と判断し、不法投棄として告発も視野に検討。しかし、十四日の環境省との協議などもあり、同社を排出事業者として撤去命令を出すことに傾いた。期限を定め、従わない場合は告発する構えだ。県不適正処理対策室は「石原産業のこれまでの対応は信じ難い。法に従った措置をとり厳しく対処する」と話す。

岐阜市も撤去命令を検討

 岐阜市は十八日、環境基準を超えるフッ素が検出された岐阜市上西郷地内に埋設されたフェロシルトについて、石原産業に対し、廃棄物処理法に基づく措置命令による撤去要請を検討していることを明らかにした。

 県と同様の方針で、市は、石原産業に対し二十日を期限としてフェロシルトの製造工程や時期などの報告を求めている。石原産業は全量撤去を前提として十一月中にボーリングによる詳細調査に乗り出すという。(神谷 浩一郎)
10/22 「早く撤去完了を」 可児・大森の住民ら

 大量のフェロシルトが埋まる地域の住民は、一刻も早い撤去を望む。九千八百トンのフェロシルトが搬入された可児市大森の平林自治会の宮島鉦二会長(70)は「石原産業に早く撤去を完了してもらいたいというだけ」と強い口調だ。同地区ではフェロシルトの産廃認定に絡んで、七月から進んでいた撤去作業が一時中断しており「工事を中断したまま長時間放置してもらっては困る。近くには井戸水で生活している人もおり、現場に住む住民のことを考えて対応してほしい」と話している。(小西 数紀)
(10/22)
10/23 【石原産業、引取料支払い?】
フェロシルトに産廃を混入 業者が岐阜、三重県に謝罪

2005.10.23中日新聞
中間業者にフェロシルト価格上回る費用
石原産業、産廃引き取り料か


 化学メーカーの石原産業(本社大阪市)が製造していた土壌埋め戻し材「フェロシルト」をめぐる問題で、同社が中間業者にフェロシルトの販売価格を上回る費用を支払っていた可能性の高いことが、三重県などの調べで分かった。同県などはすでに同社や業者から事情を聴き、事実上の“産廃引き取り料”に当たるとの見方を強めており、廃棄物処理法違反の疑いでの刑事告発を視野に入れ、近くフェロシルトを産廃認定する方針。

 同県などによると、石原産業は子会社を通じ、一トン当たり百五十円でフェロシルトを中間業者に販売。中間業者から施工業者には一トン当たり二百円程度で販売されていた。この売買とは別に、一部の中間業者は運搬費名目で施工業者に一トン当たり数千円を支払っていた。これは、中間業者が石原産業から委託費や紹介料などとして受け取った費用の一部とみられ、同県などは、同社の立ち入り調査や中間業者からの聞き取り調査時に契約書類などの提出を受け、調べを進めているもよう。

 石原産業は「リサイクル製品」としてフェロシルトを販売することで一トン当たり一万円近くかかる産廃処理費を抑えることができ、同時に、業者はフェロシルトの購入で利益を生み出せる仕組みになっていたことになる。

 石原産業は今年三月中旬、同県などが行った同社四日市工場の現地調査の際「運搬費は支払っていない」と明確に否定。しかし、愛知県内の仲介業者から同工場に送られた運搬費の上乗せを要求する文書を市民団体が入手するなど、疑惑が浮上していた。
10/24 メ〜テレニュース
時間:2005年10月24日19:27:22 
石原産業がフェロシルト購入業者に「引き取り料」払う 「産廃」と認識していた可能性

土壌埋め戻し材「フェロシルト」に産業廃棄物の廃液が混ぜられていた問題で、メーカー側は購入業者に事実上の「引き取り料」を支払い、「フェロシルト」を産業廃棄物と認識していた可能性が高いことが分かりました。
これは24日開かれた愛知、岐阜、三重3県などの担当者の協議で明らかになったものです。3県の調査によるとメーカーの石原産業は「フェロシルト」を1トンあたり150円で販売していましたが、購入した業者に対し、逆に1トンあたり約3500円を支払っていたということです。通常、1トンあたり約9400円かかる産廃の処理費用を浮かせていたとみられています。3県は「フェロシルト」を「産廃」と近く認定し、廃棄物処理法違反の疑いで刑事告発を検討しています。

CBCニュース2005.10.24
東海3県、フェロシルトは産廃
石原産業が売り出したフェロシルトに廃液が混ぜられた問題で、東海3県の担当者会議は24日、フェロシルトを産業廃棄物と判断し、撤去命令や刑事告発を検討する方針を固めた。
会議には東海3県などの担当者が出席した。会議では石原産業がフェロシルトを買った業者にリベートを支払っていたことが報告された。会議は、石原産業がフェロシルトを産廃として引き取ってもらうためのもので、フェロシルトを産廃だと判断した。また、石原産業の不正が会社ぐるみかどうかについても調査を進める方針を固めた。
(24日 21:39)

「フェロシルトは産廃」 東海3県など見解一致

 化学メーカー、石原産業(大阪市)が土壌埋め戻し材「フェロシルト」に工場廃液を不正混入した問題で、岐阜、愛知、三重の3県と岐阜市、愛知県豊田市は24日、津市で開いた会合で、フェロシルトを産業廃棄物と認定できるとの見解で一致した。同社は報告書を三重県に提出した。
 記者会見した3県の担当者は、石原産業はフェロシルトを販売する際、「用途開発費」などの名目で1トン当たり平均約3500円のバックマージンを中間業者に支払っていたと指摘。「(業者に金が流れる)逆有償の疑いが非常に強い。フェロシルトは産業廃棄物と言わざるを得ない」とした。
(共同通信) - 10月24日21時23分更新
10/25 放射性ごみ 基準明確化を フェロシルト関連 県が国に要請へ

 微量の放射性物質を含む土壌埋め戻し材「フェロシルト」に関連し、県は、廃棄物処理法で定める放射性を含んだごみの判断基準が、原子力施設から出されるごみの基準と異なるとして、整合性をとるよう環境省などに要請する方針を固めた。フェロシルトが埋められた地域で住民不安が高まったことがきっかけ。原子力施設がない自治体がこのような要請を行うのは異例だ。(石川 浩)

 県環境局などによると、十二月から施行される改正原子炉等規制法で、原子力施設解体などで排出されるコンクリートなどは、放射線量が年〇・〇一ミリシーベルト以下の場合、廃棄物として再利用などが可能とする。

 この数値はクリアランスレベルと呼ばれる放射能レベル基準値で、文部科学省原子力安全課は「自然界から受ける年間被ばく量の百分の一以下のレベル。原子力安全委員会などの論議で決めた」と話す。

 しかし廃棄物処理法では、事業活動などで出るごみについて、放射線量が年一ミリシーベルト以下のごみを廃棄物として扱うとしており、基準値には百倍の開きがある。

 県内十一カ所で計四万トンを超える量が使われたとされるフェロシルトは、六価クロムなどの有害物質が検出され大きな問題になっているが、放射性物質問題がきっかけとなった。県環境局は「人体に対し、どの程度の放射線量が安全ラインなのか戸惑う。国はしっかりとした判断基準を示してほしい」としている。
(10/25)

2005.10.25中日新聞岐阜版
3県が「フェロシルトは産廃」
共通見解に手応え


 土壌埋め戻し材「フェロシルト」をめぐる問題への対応を協議するため三重県津市で二十四日開かれた担当者連絡会議で、関係県市は「フェロシルトは産業廃棄物」との見解で足並みをそろえた。岐阜県は既に産廃とみなして対応を進めており、担当幹部は会議終了後に「三県で共通の見解が持てた」と手応えを語った。(小中 寿美)

 会議には岐阜県と岐阜市から計六人が出席。このうち県は、製造元の石原産業から提出された報告書の内容や、従来の製造工程でつくられた見本からも基準を超す六価クロムが検出されたことなどを報告した。

 報告書の中には、
会社が「用途開発費」などの名目で中間業者側に金を支払ったことを示す契約書もあり、岐阜県への搬入分については、ほぼ全量が一トン当たり三千五百円または三千八百円で取引されていたという。これまでの聞き取り調査で業者側は、植物の育成状況などを調べるため、などと説明していたという。

 約五十人の報道陣が集まった会見では「産廃の認定はいつか」「告発はどこがするのか」など、今後の対応についての質問が続出。県不適正処理対策室の黒岩芳則室長は「調査していく中で、明白な違法行為があれば告発する。またフェロシルトを地元から撤去するよう(会社側に)強く求める」と強調した。


■三重県にも責任 地元市議憤る

 昨年夏からフェロシルト問題に取り組んできた瑞浪市の溝口昭八郎市議は「最初からフェロシルトは産業廃棄物という認識で活動していた。三重県がなぜ見破れなかったのか、リサイクル製品として認定した三重県の責任は大きい」と憤る。

 瑞浪市稲津町では土地造成を目的に約一万トンが搬入され、そのまま放置されていた。溝口市議は「石原産業から金を受け取っていなければ、山の中にフェロシルトを運ぶ意味はない。経済活動になっていないことは誰の目にも明らかだったはず。産廃として早く撤去命令を出してほしい」と話した。 (小西 数紀)

■運動続け良かった 市民団体代表

 市民団体「放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜」の兼松秀代代表は「私たちは直感的に、これ(フェロシルト)は産廃だと思っていた。住民の素朴な思いがやっと受け入れられた。運動をし続けてきてまずはよかったと思う」と安堵(あんど)感を表明。

 産廃認定と踏み切る最大の要素となるのが、会社から業者に金が支払われたこと。こうした本来とは逆の金の流れについては、業者間の契約書をもとに早くから指摘してきた。「金をもらって(フェロシルトを)捨てて、いなくなる。まさに産廃の手口だ」とあらためて語った。 (小中 寿美)


■四日市大講師の報告書を提出

 有害物質が検出された土壌埋め戻し材フェロシルトをめぐる問題で、市民団体「放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜」(岐阜市)は二十四日、「フェロシルト製造工程の化学反応によって六価クロムが生じ、有価物としては不適当な産業廃棄物」とする河田昌東・四日市大講師の報告書を岐阜、三重両県の検討委員会に提出した。

 報告書は、今月十六日に三重県桑名市であった同県と市民団体との三者懇談会の際、河田講師が明らかにした内容を文書化した。

 それによると、酸化チタンの製造過程で排出される廃硫酸がフェロシルトの原料になり、消石灰などによる中和・酸化工程で六価クロムを生成すると指摘。

 フェロシルトの六価クロム含有量のばらつきも「チタン鉱物自体がクロムやマンガン含有量に違いがあるため」としている。

 粕谷志郎岐阜大教授も「廃液混入にかかわらず、製造過程で六価クロムが生成された可能性が高い」とする実験結果をまとめている。

 岐阜県環境局(検討委事務局)は「県フェロシルト問題検討委メンバーに渡したい」としている。 (石川 浩)

2005.10.25伊勢新聞
「産廃」「逆有償」検証へ/フェロシルト問題で石原産業

 【志賀室長(右)に報告書を手渡す岡田安全グループリーダー(左手前)と古賀参与=県庁で】
 石原産業(本社・大阪市西区、田村藤夫社長)は24日夜、不正製造していた土壌埋め戻し材「フェロシルト」について、製造工程や製造量、販売実績の資料を、県に提出した。 廃棄物処理法に基づき、県が報告書の提出を求めていた。県はフェロシルトが産業廃棄物として認定できるか、判断材料の一つにする。

 酸化チタン製造工程から出る廃液を原料にした「フェロシルト」と、同じ酸化チタン製造工程などの廃液からできる産業廃棄物「アイアンクレイ」の違いを検証するのが具体的な狙い。販売実績から販売価格よりも高い金額を中間業者に支払う「逆有償」されていないか調べる狙いもある。

 この日は、石原産業地球環境部長の古賀博巳参与と同社四日市工場環境安全品質部の岡田瑞穂安全グループリーダーが県庁を訪れ、環境森林部の志賀恵司廃棄物対策室長に報告書を手渡した。志賀室長は「内容を精査し確認する。必要があれば、石原産業に説明してもう」と話した。
<つづく>
《つづきは本紙紙面にて》

2005.10.25伊勢新聞
リサイクル条例見直し/フェロシルト不正で県方針

 油家正県環境森林部長は24日、石原産業のフェロシルト不正製造問題に絡み、不正防止のために認定審査方法などを再検討するとし、その上で県リサイクル製品利用推進条例を見直す考えを示した。同日開かれた県議会予算決算特別委員会(杉之内昭二委員長)で竹上真人委員(自民・無所属・公明)の質問に答えた。
 竹上委員は公共事業予算編成方針で、リサイクル条例の利用促進が盛り込まれているのを受け、フェロシルト問題を踏まえた対応をただした。

 油家部長は「今回の問題を教訓にしたい」と述べ、現在認定している133三製品について、内容を再度精査する考えを示した。
<つづく>
《つづきは本紙紙面にて》

2005.10.25中日新聞
フェロシルト 廃液不正混入
元副工場長 独断を否定


 化学メーカー石原産業(本社大阪市)が製造し、三重県がリサイクル製品に認定した土壌埋め戻し材「フェロシルト」をめぐる問題で、廃液の不正混入を主導したとされる同社四日市工場の元副工場長が、三重県の聞き取り調査に対し「全部が自分の独断だったわけではない」と話していたことが分かった。同社は一貫して「混入は元副工場長の独断だった」と主張しているが、会社ぐるみの不正だった可能性が強まった。

 同県などのこれまでの調査で、四日市工場がフェロシルトを製造する際、三重県認定のリサイクル製品製造工程とは違う不正な配管を施し、別工程で発生した廃液などを混入させていたことが確認されている。さらに、この事実を隠すため同社は県などの立ち入り調査前に配管を元に戻す偽装を行い、偽の製品サンプルを提出していたことが分かっている。

 県環境森林部によると数日前、問題発覚後初めて、同県職員が元副工場長と接触し、事情を聴いた。その際、元副工場長は、これらの不正がすべて自らの独断で行われていたとの見方を否定したという。

 石原産業は「聞いていない。社内調査でも、本人が『申し訳ない』と話している」と話し、会社ぐるみの関与をあらためて否定している。

2005.10.25中日新聞
フェロシルト埋めた岐阜の水田 稲を全量買い取り 石原産業、フッ素検出で

 化学メーカーの石原産業(本社大阪市)が製造した土壌埋め戻し材「フェロシルト」をめぐる問題で、フェロシルトが埋められ、基準値を超えるフッ素が検出された岐阜市上西郷の水田で栽培された稲を、同社が全量買い取る形で補償することが二十五日、分かった。
 岐阜県などによると、水田は約三千八百平方メートル。約五百トンのフェロシルトが埋められていたことが分かり、七月に土壌分析調査をした結果、一リットルの土の中に環境基準値(〇・八ミリグラム)を上回るフッ素〇・九一ミリグラムが検出された。
 フッ素は大量に摂取すると甲状腺や腎臓に障害が起きる可能性が指摘されている。県と市、水田を所有する二軒の農家、農協の四者でコメの取り扱いについて協議し「風評が立つ前に刈り取るべきだ」と、流通前に処分するのが妥当と結論づけたという。八月三十日、九月三日の両日、市職員の立ち会いで、まだ青い稲を刈る「青刈り」作業が行われた。
 県の調査では、この水田は二〇〇二年、砂利採取後の埋め戻しにフェロシルトが使われたが、二軒の農家は知らされておらず、運搬業者への聞き取りで分かった。〇二年以降は休耕田になっており、コメが栽培されたのは今年が初めてだった。
10/26 フェロシルト問題:フッ素の検出量「環境基準適合」 井戸地下水、県調査 /岐阜

 有害物質を含むフェロシルトの撤去作業が進められている可児市久々利の造成地周辺の井戸地下水調査を行っていた県は25日、全48カ所でフッ素の検出量が「環境基準に適合している」と発表した。同造成地に埋められているフェロシルトは約6800トン。
17日からの撤去作業を前に行われた事前調査で、測定した23カ所中10カ所から土壌環境基準の1・15〜4・75倍のフッ素を検出。このため同造成地周辺の井戸の地下水調査を実施していた。【宮田正和】
毎日新聞 2005年10月26日

岐阜県の発表 2005.10.26
フェロシルトが使用された水田から収穫された大麦の取扱について
http://www.pref.gifu.lg.jp/contents/news/release/H17/z00000796/index.html

可児市久々利地内のフェロシルトによる造成地周辺の地下水調査結果について
http://www.pref.gifu.lg.jp/contents/news/release/H17/z00000788/index.html
2005.10.26中日新聞 社会面
フェロシルトへの廃液混入中止を進言
石原産業元副工場長に子会社部長


 化学メーカー「石原産業」(本社大阪市)が製造していた土壌埋め戻し材「フェロシルト」をめぐる問題で、廃液の不正混入を主導したとされる四日市工場(三重県四日市市)の元副工場長に対し、廃液処理を担当する子会社の社員が混入をやめるように進言していたことが分かった。25日、四日市工場を視察した三重県議らに、案内役を務めた子会社の「石原ケミカル」の技術部長が明らかにした。

 視察した県議らによると、不正な廃液混入を知った技術部長は当時の副工場長に「混入は良くない」と言ったが、受け入れられなかった。部長は「上司には従わざるを得なかった」とも述べたという。元副工場長は県の聞き取り調査に「廃液不正混入は全部が自分の独断だったわけではない」と話している。

 県議15人は、フェロシルトの製造工程の説明を受けた後、工場内を視察。不正混入に使われた遠心分離機や塩化ビニール製の配管などを確認した。県議会健康福祉環境森林常任委員会の清水一昭委員長は「県はリサイクル製品認定時に工場を視察すべきだった。設備は意外と簡単で、ある程度の知識があれば見抜けたのでは」と述べた。

 一行はこの後、四日市市山田町のフェロシルト搬入現場も視察した。同委員会は11月4日、田村藤夫社長らを参考人として招致する予定。



2005.10.26中日新聞 社会面
フェロシルト埋設畑の大麦を売却
岐阜・本巣で、麦茶業者に

 産業廃棄物の疑いが強まっている土壌埋め戻し材「フェロシルト」が埋められた岐阜県本巣市の麦畑から収穫された大麦が麦茶メーカーに売却されていたことが25日分かった。製造元の石原産業(本社大阪市)は隣接する岐阜市で、フェロシルトの埋まった水田で栽培された稲を全量買い取る措置を取っているが、大麦については“追跡”して買い取るなどの対応には出ていないとみられる。

 大麦は既に麦茶メーカーに売却済み。このまま何の対応も取られない場合、麦茶に生産されて不特定多数の消費者の口に入る可能性が出ている。

 岐阜県によると、大麦は約3000平方メートルの農地で転作栽培された。今年6月17日に県がこの農地にフェロシルト3100トンが埋められていることを確認したが、大麦はその前に収穫されていた。

 当時、県内の他の埋設土壌から有害物質の六価クロムが検出されていた。しかし、問題の大麦からは六価クロムなどの重金属が検出されなかったことから、農家から販売委託を受けていた全国農業協同組合連合会(全農)は食品メーカーと売買契約を交わしたという。

 ところが7月1日になって、大麦が栽培された畑の土壌分析調査の結果が判明。畑の地下からは環境基準の約3倍ものフッ素が検出された。分析結果は公表されている。

 大麦については県も売買契約の中止を求めることなく、全農も麦茶メーカーにフッ素検出を伝えなかった。しかし、石原産業は岐阜市の同様の土壌で栽培された稲について全量購入する形で補償していることから、全農は土壌からフッ素が検出されたことなどをメーカー側に説明し、今後の対応を協議することにした。

 県は販売を中止させなかった理由について「フェロシルトは地下数メートルに埋められており、地表近くで育つ大麦がフッ素を吸収するとは考えにくい」と説明。本巣市の農地では、フェロシルトは土砂採取の際の埋め戻しに使われ、所有者の農家は知らされていなかった。

 【古田喜彦岐阜大応用生物科学部長(遺伝学)の話】 大麦の根は50センチ程度だが、
数メートル下の水分を吸収しないとは言い切れない。土の中の水は下に流れるばかりでなく含まれる水や空気の量などの状態によっては横や上へも移動する。まして、この土地の場合、土ではないフェロシルトの状態によっては水を下へ通しにくくしている可能性もある。

2005.10.26中日新聞岐阜版
撤去計画、県が見直し要求
土岐・定林寺のフェロシルト


 土壌埋め戻し材「フェロシルト」が土岐市泉町定林寺の国道脇に放置されている問題で、石原産業の担当者が二十五日、県庁を訪れ撤去計画の説明をした。 (小西 数紀)

 計画では、三十一日から作業を開始し、十一月七日から本格的な撤去作業を始める。しかし、石原産業の撤去完了見込みが二〇〇六年半ばとなっていることに対し、県不適正処理対策室は「時間がかかりすぎる」として石原産業側に工期見直しを求めた。撤去作業は計画通り三十一日から始まる見込み。

 また、現場に放置されたフェロシルトは、当初予想されていた四千トンの倍以上になるとみられることが分かった。工事に先駆けたボーリング調査によって明らかになっ
た。同室では「一日も早く撤去作業を開始し、作業を終えてもらいたい」と話している。 
10/27 2005.10.27中日新聞夕刊
フェロシルト新たに確認
愛知・尾張旭などの2造成地


 愛知県は二十七日、有害物質が検出された土壌埋め戻し材「フェロシルト」が新たに尾張旭市、長久手町内の二カ所の造成地で見つかったと発表した。県は製造元の石原産業(大阪市)に、現場をシートで覆うなどの措置や有害物質の溶出試験を行うよう指導した。

 県によると、尾張旭市城山町と長久手町前熊で、いずれも土砂や粘土の採取跡地。尾張旭市では約五千平方メートルの現場が覆土され、使用量は不明。長久手町の現場は愛・地球博(愛知万博)長久手会場の西側で、約三千平方メートルにフェロシルトが露出しており、使用量は約一万三千トンだった。

 今週初めに匿名の情報があり、県は石原産業に調査を指示する一方、二十六日に尾張旭市などと現地で確認した。

 フェロシルトは石原産業が同県瀬戸市内に向けて全部で二十六万八千トンの出荷伝票を切っている。県はその一部が新たな発見地に流れたとみており、使われた時期など詳しい経緯を調べている。

 同県内でフェロシルト使用が判明した場所は、瀬戸市内の三カ所、豊田市内の二カ所と合わせて七カ所。岐阜、三重県を含めた東海三県では二十七カ所となった。

メ〜テレニュース
更新時間: 2005年10月27日15:17:36
土壌埋め戻し材剤「フェロシルト」が埋まった土地が愛知県内で新たに2カ所見つかる
土壌埋め戻し剤「フェロシルト」が埋められている土地が愛知県内で新たに2カ所見つかりました。

新たに見つかった長久手町前熊の造成地ではフェロシルト約1万3000トンが地表に露出していました。また、尾張旭市城山町の造成地はフェロシルトの量はわかっていませんが、地表から15メートルから20メートルの深さまで埋められているとみられています。愛知県に匿名の電話があり明らかになりました。いずれも民有地で、砂利や粘土を採取した後、埋め戻す時の土砂にフェロシルトが含まれていたとみています。愛知県は製造業者の「石原産業」に実態調査を指示しました。

東海テレビニュース
万博会場近くでフェロシルト 10/27(木) 19:04更新

環境をテーマにした愛・地球博・長久手会場のほど近くの山中で産業廃棄物の疑いがある「フェロシルト」がむき出しになっていることが明らかになりました。フェロシルトが放置されていたのは愛地球博・長久手会場の西ゲートからわずか1キロ西の山中。
今月21日、愛知県に匿名の情報が入り石原産業に確認させたところおよそ1万3千トンが埋められていることが分かった。さらに、尾張旭市の山中でもフェロシルトが見つかったが、こちらは、埋められた量さえわからないと言う。環境を訴えた愛・地球博。
その足元で有害物質が混入されたフェロシルトが大量に埋められていたことに地元の人たちは憤りを隠せない。愛知県では石原産業に対し直ちにシートで覆うなど対策を採るよう指示、近く、現場から撤去命令を出す方針だ。

可児市久々利地内のフェロシルトによる造成地周辺の地下水調査結果についてhttp://www.pref.gifu.lg.jp/contents/news/release/H17/z00000788/index.html

CBCニュース 2005.10.27
フェロシルト愛知でも見つかる

産業廃棄物の疑いが強まっている「フェロシルト」による土地の造成が愛知県で新たに2ヶ所確認された。新たに分かったのは長久手町前熊と尾張旭市城山町の2ヵ所。
長久手町の造成地は万博会場の西側で、赤茶色のフェロシルト約1万3000トンがむき出し。愛知県はフェロシルトを製造した「石原産業」に対し、露出した部分をシートで覆うなどして、周辺の汚染防止を図るよう指示した。また尾張旭市の造成地でも直ちに有害物質の検査を行うよう求めた。愛知県内でフェロシルトの使用が確認されたのはこれで7ヵ所。
(27日 14:15)

伊勢新聞
2005/10/27
石原産業の参考人招致4日に決定/県議会常任委

 石原産業(本社・大阪市西区)が土壌埋め戻し材「フェロシルト」に廃液を不正混入していた問題で、県議会健康福祉環境常任委員会(清水一昭委員長)が行う参考人招致
の日程が11月4日午後1時に正式に決まった。
出席者は田村藤夫社長は確定したがほかは未定。議会側が強く出席を求めていた元四日市副工場長は、体調不良のため出席できないとしている。
10/28 2005.10.28東京新聞 特報
中部各地で赤い土…フェロシルト

 行政認定のリサイクル製品で「地球にやさしい」との評価を悪用し、産業廃液を埋め戻し材(フェロシルト)に混入していた大手化学メーカー石原産業(本社・大阪市)の土壌汚染問題が中部地方を襲っている。行政の立ち入り検査などでその“犯行”が追及されているが、住民の不安は底知れぬほど深い。 (三重総局 川合道子、岐阜支社 石川浩・小西数紀、特報部 大村歩)

 「いつ撤去するかも分からない。地域住民に呼び掛け即時撤去を要望したい」。清少納言が「枕草子」でうたった「ななくりの湯」ゆかりの温泉地として知られる三重県久居市榊原町は今、埋め戻し材「フェロシルト」問題に揺れている。

 地元建設業者が所有する残土置き場と土砂採取場に約一万トンのフェロシルトが埋まり、環境基準を上回る六価クロムが検出されたからだ。二十七日に行われた地元委員会による会合では、石原産業側に批判の声が相次いだ。

 問題の発端は、昨年十二月、愛知県瀬戸市の住民が、埋め立てで使用されたフェロシルトが川に流出し、放射線が出ていると告発したのがきっかけだ。

 フェロシルトは愛知県常滑沖の中部国際空港での埋め立て需要を当て込んで開発されたとされる。実際は採用されなかったが、二〇〇三年には三重県が行政として広く推奨する「県リサイクル製品」として認定。この“お墨付き”がはずみになり愛知、岐阜、三重県など二十三カ所で約七十二万トンが埋められ、同社は約一億円の売り上げを得ていた。

 同社は製造時に不正に産業廃液を混入しており、一トン当たり一万円前後かかる産廃処理費を数十億円削減する効果もあったとみられている。

 三重県が今年七月、県内六カ所の埋め立て現場を調べた結果、二カ所から環境基準(一リットル当たり〇・〇五ミリグラム)の三・二−一・二倍の六価クロムを検出。専門家による委員会で、業者から事前に提出されていたサンプルと、実際に埋められた物では成分が大幅に違うことも判明した。

 最初に三重県が認定した工程段階でも六価クロムが生成されることも明らかになり、提出されたデータを鵜呑(うの)みにした三重県も審査の甘さが批判されている。

 十四日の定例会見で野呂昭彦知事は「結果としてだまされたということは大変遺憾」としてチェック体制についても見直す姿勢を示すなど防戦に立たされた。

 フェロシルト問題は中部地方全般に広がっている。

 岐阜県瑞浪市の国道19号から南へ約二キロ。山あいの道を抜けると谷間に突然、運動場ほどの広さの真新しい造成地が現れる。この造成地は約一万トンのフェロシルト
を使って造られた。

 六価クロムなどの有害物質が検出され問題化してからは表面が覆土され、現在はフェロシルトを見ることはできないが、当初は赤茶けた表面がむき出しのまま放置されて
いた。

 瑞浪市の西に隣接する同県土岐市では、国道21号脇の急斜面にフェロシルトが運び込まれた。付近住民の話では、夜明け前にダンプカーが現場に現れ、斜面の上から捨てるようにしてフェロシルトを落としていったこともあるという。

 この現場では雨の日にフェロシルトが付近を流れる定林寺川に流れ出し、川底を赤く染めた。地元住民は「まるで産廃の不法投棄のようだ」と憤る。

 愛知県では瀬戸市で約二十三万トンが埋め立てられているのが判明したほか、二十七日には愛知万博長久手会場から西に約二百メートルの山林でも約一万三千トンが埋められていることが確認された。

 今後問題になってくるのはナゴヤドーム半分にあたるその量だ。愛知、岐阜、三重県は、この「リサイクル製品」を産業廃棄物として扱う方針だが、そうなると同法に基づく指定業者が最終処分場まで運ばねばならない。しかし、既に処分先から「成分が分からない」として拒否されるケースもあり、石原産業が「一、二年かかる」とする撤去期間も不透明なのが実態だ。

 今月十二日、岐阜県の古田肇知事は、フェロシルト製造元の石原産業をこう激しく非難した。「言語同断。強い憤りを感じ、法的措置を含めて検討する」

 フェロシルト問題で奇妙なのは、もともとは産業廃棄物の汚泥だったのに、加工したとはいえどうして埋め戻し材として商品になりえたのかだ。産廃と商品(有価物)はどう区別されるのか。

 環境省産業廃棄物課の担当者は「有害でも再生利用は可能という場合があり、一概に毒性があるから再生不可能とはできない。その物の状態をよく把握している各自治体の担当部局がしっかり判断するしかない」と明かす。

 とはいえ、今年七月に出された最新の「指針」には、「本来廃棄物たる物を有価物と称し、法の規制を免れようとする事案が後を絶たない」と、汚泥とフェロシルトの関係に当てはまるような記述もあり、「自治体レベルで有害性の有無を厳密に判断するのは無理。とすれば国の機関で統一的な審査、認証を出すべきとの指摘は確かにある」(同省職員)という。

 石原産業は一九六〇年代、三重県四日市市の工場から硫酸の廃液を垂れ流し、四日市海上保安部により摘発され、水産資源保護法違反などの罪で一九七一年に起訴され、その後有罪判決を受けた。公害で刑事事件に発展した初のケースで、その後の四日市公害訴訟を含む、いわゆる「四大公害訴訟」にいたる発端だった。同保安部の田尻宗昭警備救難課長(故人)は、公害Gメンとして知られるようになった。

 石原産業側はこう弁明する。「一部の社員が社会、安全、環境といった当社の社是に反するような行動をとって、このような問題を起こしたのは極めて遺憾。前回の四日市公害の教訓を結果的に生かせなかった。最終処分場の受け入れ能力に限界があり、また、問題のあった物質だけに処分場周辺住民の感情も厳しい。すべて処理するのに一年以上はかかる」

 四日市公害を記録する会代表の沢井余志郎氏(77)は「石原産業はかつて刑事責任まで追及されたのに、まったく懲りないし反省がない。三重県はかつて深刻な公害を経験した自治体として認識が足らない」と行政にも注文を付ける。

 中部大の谷山鉄郎教授(環境科学)は「六価クロムは汚染物質でも特に農作物に影響がある。石原産業が産廃という認識を隠してリサイクル品として販売したなら、大変な犯罪だ」と厳しく批判する。

 フェロシルトが最も多く使われた愛知県瀬戸市は愛知万博瀬戸会場があった地だ。

 同県の環境保護団体「ダイオキシン・処分場問題愛知ネットワーク」の吉川三津子代表は「瀬戸は六十カ所の処分場を抱える国内でも有数の産廃銀座。私たちは三年前から、愛知万博は産廃に囲まれて開催されるということを訴えてきた。なぜ今になって行政や石原産業の動きが激しくなってきたのか不思議だ。万博終了を待っていたのかと勘ぐりたくなる」と強調し、こう訴える。「万博では酸化チタンによる光触媒で建物が汚れない、環境に優しいとピーアールしていた。しかし、まさにその足元で、酸化チタン製造過程で出たフェロシルトが大量に使われていた。究極の矛盾だ」

 ◆メモ <フェロシルト>

 石原産業が開発した埋め立てや造成で土砂の替わりに使う埋め戻し材。主な原料は、同社四日市工場で、冷蔵庫や建材を白色にするための顔料となる酸化チタン製造過程でできる硫酸廃液を固めた汚泥。英語の「フェライト」(地鉄)と「シルト」(砂と粘土の間の細かさの土)を組み合わせた造語。

2005.10.28中日新聞 社会面
石原産業、フェロシルトを複数幹部同席で契約

 化学メーカーの石原産業(本社大阪市)が土壌埋め戻し材「フェロシルト」を販売する際、価格の二十倍を超える運搬費を負担していた問題で、同社と取引のあった愛知県内の業者が同県の調べに対し、石原側の複数の幹部が運搬費の契約に立ち会った、と証言していたことが分かった。商品のフェロシルトを産廃同然に引き渡す不透明な契約について、同社は四日市工場(三重県四日市市)の元副工場長の「独断」と主張してきたが、ほかにも上層部で知り得た幹部がいたことになる。

 証言によると二〇〇一年春ごろ、この仲介業者は石原産業から「土壌改良に有効な商品」として販売先を探すよう依頼され、別の中間業者を紹介。三者による事前交渉や埋め立て候補地の視察には、元副工場長のほか同社や子会社・石原テクノの幹部が同行した。同年十月に四日市工場で正式契約した際も、元副工場長や同社幹部らが同席した。契約書の署名者は元副工場長だった。

 契約の結果、石原産業はフェロシルトを中間業者に一トン百五十円で販売する一方、逆に一トン三千五百−三千八百円の運搬費を「用途開発費」などの名目で負担。運搬費はいったん仲介業者に支払われ、百−四百円の「紹介料」が引かれて中間業者に渡る形になった。

 昨年十二月に契約が打ち切られるまで約三十万トンが取引され、売れば売るほど石原産業は赤字だったが、産廃としての処理費用に比べると半額以下となる構図だった。

 証言した業者は本紙の取材に対し「一流企業の幹部が複数かかわる契約だけに、正当な商品だと思っていた」と話した。

 一方、石原産業は「契約先はすべて元副工場長に委ねていた」と上層部の関与を否定している。

 フェロシルトによる六価クロム汚染が起きた愛知、岐阜、三重県は現在、同社が会社ぐるみで産廃の認識を持っていたかどうかを中心に調べ、撤去命令や刑事告発に向けた検討を進めている。

2005.10.28中日新聞
「フェロシルト」尾張旭と長久手でも

水は安全? 調査や撤去要請へ

 有害物質が検出された土壌埋め戻し材「フェロシルト」が長久手町前熊と尾張旭市城山町の、いずれも粘土採取跡地の造成地で使われていたことが二十七日分かり、住民に不安の声が広がった。 (鈴木 智重)

 長久手町の造成地は約二千六百平方メートルで、愛・地球博(愛知万博)長久手会場にほど近い山林内。約一万三千トンが露出し、近くを農業用水が流れているため、町は四カ所で土壌と水質の調査をしている。

 二十八日午前、製造元の石原産業の担当者が現地でボーリング調査をするといい、町環境課は「シートで覆うなど周辺に飛散しないようするとともに、早急な全量撤去を要請したい」とする。近くに住む主婦(56)は「井戸水で生活しているので気持ち悪くて仕方がない」と心配していた。

 一方、尾張旭市の造成地は約五千平方メートルで、谷口幸治市長の母が所有する。覆土されているため使用量は分かっておらず、市環境課は「県を通じて量の特定などを石原産業に指示している」と話している。

2005.10.28中日新聞三重版
フェロシルト撤去いつ?

久居・榊原町で環境推進委
フェロシルトが搬入された現場を視察する委員たち=久居市榊原町で

 化学メーカーの石原産業が製造した土壌埋め戻し材「フェロシルト」をめぐる問題で、約一万一千トンが搬入された久居市榊原町の住民でつくる榊原環境推進委員会が二十七日、同市榊原支所で開かれた。石原産業の代表者も初めて出席し、住民側は即時撤去を強く要望した。来月からボーリング調査を行う方針が示されたが、明確な撤去期日は提示されず、詰めかけた地元住民からは不満の声が続出した。 (川合 道
子)


明確な期日提示されず 住民の不満続出

 同市榊原町では、地元の建設業者が所有する残土置き場と土砂採取場の二カ所にフェロシルトが埋められている。県の調査では、環境基準の九・二倍と三・二倍の六価クロムが検出された。

 同委員会は榊原町にある六自治会の会長や役員ら二十八人で構成。委員会を年二回開いており、問題発覚後の今年七月には、二カ所のうち、約九千トンが埋まる搬入現
場を視察した。

 この日は、推進委員のほか、渡辺登夫執行役員ら石原産業側の代表者三人と県環境森林部、市市民環境部、搬入された土地の所有者ら計約五十人が出席。残る一カ所の搬入現場を視察した後、同市支所で会議を開いた。

 会議では、石原産業側が「一部の者がやりましたとはいえ、申し訳ありません」と住民らに深々と頭を下げて謝罪し、問題の経過を説明。住民側からは「周りには水田や農業用水、榊原温泉もあり、風評被害が心配。早く撤去を」との要望が相次いだ。

 石原産業側は「必ず回収するが、最終処分場が見つからない」と撤去時期のめどは示さず、販売価格よりも高い運送費を買い手側に支払っていた「逆有償」について問われると、「赤字でも、全体から見れば合理性があった」と説明。住民が「おたくの勝手な論理ではないか」と不満をぶちまける場面もあった。

 委員長の川合孝一さん(71)は「いつ撤去するのか明言されず、説明には納得できな
い。地域住民にも呼び掛け、今後も即時撤去を要望していきたい」と話している。

2005.10.28朝日新聞
有害物質分析へ/豊田市岩倉地区のフェロシルト

市長表明

 豊田市の2カ所に放射性物質を含む埋め戻し材フェロシルトが埋められ、1カ所で撤去の見通しが立っていない問題で、鈴木公平市長は27日の定例会見で、残ったフェロシルトについて有害物質の分析調査を近く実施する考えを明らかにした。

 2カ所はいずれも同市深見町(旧藤岡町)。フェロシルトを製造した石原産業(本社・大阪市)が今月中旬までに撤去した下田地区について、市は今年7月に分析調査をした。だが、撤去作業が手つかずの岩花地区については、下田地区と同様の内容物とみられ、当初は今秋に撤去される見込みだったため、分析調査をしない方向でいた。

 ところが、三重県が同社四日市工場へのフェロシルト搬入を認めなくなったため、撤去の見通しが立たず、環境への影響が心配されるため、六価クロムなど有害物質の分析を急ぐことにした。

 すでにサンプルを取り、数日中に分析会社に出す。岩花地区には推定約5200トンが埋設されている。石原産業の調査では、発がん性が疑われる六価クロムはほとんど検出されなかったが、フッ素は環境基準の4倍前後の濃度で検出されたという。

 市の下田地区の調査では、環境基準の7倍のフッ素が検出され、六価クロムは基準以下だった。
(10/28三河版)

2005.10.28朝日新聞三重版
フェロシルト 「風評被害が心配」

久居市榊原町 住民ら現場視察・会合

 化学メーカー石原産業(大阪市)が土壌埋め戻し材「フェロシルト」に不正な廃液を混入していた問題で、1万1362トンが埋設されたとされる久居市榊原町で27日、地元住民らによる団体「久居市榊原町環境推進委員会」が現場の視察、会合を開いた。住民ら約30人と、県、市、土地管理業者らそれぞれ3人ずつが参加。同社からは渡辺登夫(たか・お)執行役員ら3人が出席し、フェロシルトの製造・販売を巡る経過や今後の対応を説明した。

 埋設地は、榊原町にある土木会社「杉田土木」の敷地内。この日は、約2千トンが埋められたとされる一帯を視察した。フェロシルトと建設残土を1対1の割合で混ぜて埋めたという。

 その後、市役所榊原支所で開かれた会合では、住民側から早期の全量撤去を望む声が相次いだ。「米など農作物に悪影響はないか」「温泉地でもあり、風評被害が出ないか」などの不安の声も出た。石原産業側は「処分場の問題もあり、具体的な撤去時期は回答できない」と明言を避けた。

 また、同社が「用途開発費」などの名目で中間業者らに運送費を支払ったとされる「逆有償」の問題については、渡辺氏は「運送費を支払う判断は、酸化チタンの事業全体から見れば採算がとれるので合理的だ」と説明した。

 地元に住む川合孝一さん(71)は「撤去の期限がまったく明らかにならず無念だ」と同社への不信感を示した。
(10/28)

伊勢新聞
2005/10/28
フェロシルト撤去日程を示さず/久居で懇談会・石原産業謝罪

【住民に対し説明 する石原産業の渡辺執行役 員ら=久居市榊原町の榊原 農民研修所で】
 【久居】石原産業(本社 ・大阪市西区、田村藤夫社 長)は二十七日、久居市榊 原町の同市役所榊原支所  で、不正製造していた土壌 埋め戻し材「フェロシル  ト」が久居市榊原町内の二 カ所で使用されていたこと について、初めて地元住民 らに謝罪し「来月には現場 のボーリング調査や土壌、 水質調査を実施する」と今 後の対応を説明した。

 同社をはじめ、県や久居 市、「フェロシルト」を購 入し使用した杉田土木(久居市榊原町、杉田茂社長) から各三人の計12人が出 席し、地元住民約三十人に これまでの経緯を説明し た。

 住民は、早急な撤去や地 元への詳しい説明を要望。 米などの農作物への影響 や、観光地として風評被害 を心配する声も上がった。

 石原産業の渡辺登夫執行 役員は「地元にご迷惑を掛 け、不安を与えた」と謝 罪。「今のところ、人体や 植物などへの影響はない。 近いうちにボーリング調査 し、どこにどれだけの量が 入っているのか調べたい」 としたが、回収予定は「撤 去場所が確定していないの で、スケジュールは申し上 げられない」と繰り返し た。

 また、「フェロシルトだ けを除くことは難しい」と し、撤去量は混ぜた残土を 含むと二万トンに上る可能性 を示した。 <つづく>
《つづきは本紙紙面にて》

伊勢新聞
2005/10/28
   「県に動きあれば捜査」/県警
 化学メーカー石原産業  (本社・大阪市)が土壌埋 め戻し材「フェロシルト」 に申請外の廃液を混入して いた問題で、県警生活安全 部の前田聰部長は27日 の定例記者会見で「県から 正式な相談や告発は受けて いない。そういった動きが あれば適正な捜査を進めて いきたい」と述べ、告発を 受けて以降、本格的な捜査 に着手する考えを示した。
 前田部長は「今のところ 県が調査しており、県警と しては違反行為があれば、 県とともに対処していくこ とになろうかと思う」と語 った。 <つづく>
《つづきは本紙紙面にて》

伊勢新聞
2005/10/28
   「フェロシルトは商品」/産廃の認識なし  

 石原産業(本社・大阪市 西区、田村藤夫社長)が土 壌埋め戻し材「フェロシル ト」を不正製造していた問 題で、同社四日市工場の渡 辺登夫執行役員は二十七  日、久居市榊原町の同市役 所榊原支所で開かれた住民 との懇談会で、商品価格よ りも高い「運搬費」を業者 に支払っていたことを認め たものの、「あくまで埋め 戻し製品としてのこと」と し、フェロシルトを産業廃 棄物でなく商品として認識 していたことを強調した。
 三重、岐阜、愛知の三県 はこれまでに、同社が商品 価格よりもはるかに高い料金を業者に支払ってフェロ シルトを引き取ってもらっ ていた「逆有償」の疑いが 強く、産業廃棄物としての 認識があったのではないか として、近く「産業廃棄  物」認定することで一致し ている。しかし、渡辺執行 役員は「商品のフェロシル トの運賃代を支払わせても らっていた」と述べ、フェ ロシルトが「商品」だった ことを繰り返した。 <つづく>
《つづきは本紙紙面にて》


伊勢新聞
2005/10/28
   「産廃」と認定/週明けにも環境省と協議

 石原産業(本社・大阪市 西区)の土壌埋め戻し材 「フェロシルト」の廃液不 正混入問題で、三重、愛 知、岐阜の三県は週明けに も環境省と協議し、フェロ シルトを「産業廃棄物」と 認定する。
 同社はフェロシルトを商 品と主張しており、「産業 廃棄物」の認定は廃棄物処 理法に問うための一歩。今 後、同社のほか中間業者や 施工業者らに聞き取りなど を行い、不法投棄が行われ ていたかどうか、さらに調 査を進める。その上で、措 置命令や告発などの法的措 置を取る方針。
  <つづく>
《つづきは本紙紙面にて》
10/29 2005.10.29毎日新聞三重版
フェロシルト問題:桑名の民有地分析、六価クロムは基準値下回る /三重

 化学メーカー、石原産業(本社、大阪市)の土壌埋め戻し材「フェロシルト」をめぐる廃液不正混入問題で、桑名市は28日、フェロシルトが埋められている同市長島町間々地区の民有地周辺の土壌などの分析結果を発表した。発がん性が指摘されている六価クロムは、すべての調査地点で環境基準値(1リットルあたり0・05ミリグラム)を下回った。
 8月に実施した同社の調査で、同地区のフェロシルトから基準値の最高4・6倍の六価クロムが検出されたのを受け、同市が独自に調査していた。
 今月15日、民有地周辺15カ所の畑や水路、井戸から土壌や水を採取し、名古屋市の専門会社に分析を依頼した。その結果、六価クロムは全個所で基準値未満で、市環境部は「周辺の農作物に問題はない」としている。【沢木繁夫】
〔三重版〕
毎日新聞 2005年10月29日

2005.10.29中日新聞岐阜版
フェロシルト産廃認定

知事「可能性は非常に高い」

 化学メーカーの石原産業(大阪市)が製造した土壌埋め戻し材「フェロシルト」をめぐる問題で、古田肇知事は二十八日、「産業廃棄物と認定する可能性が非常に高くなっている。撤去命令後は刑事告発の順番だろうが、法律論をきちんとしないといけない」との認識を明らかにした。本紙の取材に答えた。

 古田知事は、産廃との認定時期について「会社側の責任関係とか、実態の解明が進んでいる。会社責任が問えると判断できれば法的措置がとれる。廃棄物処理法の遡上(そじょう)に乗せるタイミングは早い方が良い。最後の詰めの段階だ」と指摘した。

 環境省とは「かなりの頻度で情報提供や意見交換している。情報の蓄積の中での議論が大事で(三県などとの)認識のギャップはないと思っている」と述べた。

 今後、県として石原産業に対する個別調査には「愛知、三重県と協調して原因究明に取り組んでおり、個別に呼ぶことは考えていない。透明性やスピード、毅然(きぜん)たるスタンスが大事だ」とし、三県の協力関係を重視する意向を示した。(石川 浩)
10/30 2005.10.30中日新聞
石原産業を来週にも告発
フェロシルトで三重県


 東海3県で六価クロム汚染などを引き起こした土壌埋め戻し材「フェロシルト」をめぐる問題で、3重県などは29日、廃棄物処理法違反の疑いで、製造元の化学メーカー「石原産業」(本社大阪市)の関係者らを刑事告発する方針を固めた。来月4日に行われる同社の田村藤夫社長らに対する同県議会の参考人招致を見極めたうえ、来週にも最終調整に入るとみられる。

 同県などは、石原産業が販売価格を上回る運搬費を「用途開発費」などとして中間業者に支払っていたことから「フェロシルトを産廃として認識していた疑いがある」と判断。実質上の産廃にあたるフェロシルトを産廃の収集運搬や処分の許可を持たない業者に処理を委託する廃棄物処理法の委託基準違反にあたる可能性が高いとみている。

 週明けに環境省と協議を行い、フェロシルトを産廃と認定したうえで、翌週にも刑事告発に踏み切る方針。

 これまでの調べで、同社はフェロシルト製造の際、2002年1月から廃液を不正混入。さらに、サンプル分析の結果、不正混入前の本来の製造方法で六価クロムが生じていた可能性が高いことも判明した。

 三重県をはじめ、愛知、岐阜県は刑事告発の前に撤去命令を出すことを検討していた。しかし、同社の報告では、搬出されたフェロシルトの全量や搬出先が確定せず、早急に撤去命令を出すのは困難な状況にあるため、強制捜査で詳しい資料などの押収を期待し、刑事告発を急ぐことにした。

 ただ、愛知、岐阜県の場合は、フェロシルトが埋め立てられた地域の土壌から高濃度の六価クロムやフッ素が検出され、地元住民の不安が強いため「本来なら強制撤去を優先したい」との思いもあり、刑事告発に先駆けて撤去命令を出す可能性もある。
10/31 2005.10.31中日新聞 社説

「自治」が試されている

 大手化学メーカーの石原産業(大阪市)によるフェロシルト問題は、産廃に島の形を変えられた瀬戸内の豊島(てしま)を連想させる。もういいかげん、住民本位の廃棄物自治が確立されてもいいころだ。

廃棄物認定

 石原産業は、工事現場などの埋め戻し材という触れ込みの“製品”フェロシルトに、他の工程から出る廃液を大量に混入して愛知、岐阜、三重を中心に約七十二万トン“販売”し、十四億円もの産廃処理費用を浮かせていた。“製品”からは強い毒性を持つ六価クロムが、基準値を超えて検出された。

 豊島では、悪質な産廃処理業者が製紙汚泥などをミミズに食べさせて、土壌改良材を“生産”するとの名目で、シュレッダーダスト(自動車破砕ごみ)などを島内へ大量に運び込み、ダイオキシンや重金属類をはらんだ巨大な山塊を築き上げた。

 三十年の時を隔てたこの二件、舞台裏にも共通点が多くある。

 豊島のミミズ養殖に対し、フェロシルトは、ケナフの栽培用土の名目で長らく野積みされていた。豊島では瀬戸内海に「黒い水」が侵出し、フェロシルトでは、愛知県瀬戸市の川に流れ込む「赤い土」が、表面化の端緒になった。“買い手”が支払った代金を大きく上回る運搬費などを“売り手”から払い戻す、「逆有償」になっていた。それなのに、「有価物」だという名目が、行政を後手に回らせた。消極的な行政を住民運動が動かした。

 廃棄物は法律上、「他人に有償で売却できないもの」とあいまいに定義されている。そのあいまいさのすき間を縫って、有害な産廃は「安き」に流れ続けてきたのである。

 豊島との違いは、石原産業が大手という点だ。「汚染者負担の原則」にのっとって、原状回復に全力を尽くすべきなのは、言うまでもない。が、豊島以来の時の流れは、二つのことを教えている。

 一つは、法律の定義があいまいである以上、許認可権者の都道府県が、住民の安全を守るという立場から、速やかに自前の判断を下すべきだということ。そのためにも、牛肉の生産履歴表示に見られるように、普段から住民に可能な限りの製品情報とその流れを開示して、監視を求める仕組みづくりが望まれる。

 もう一つ、圧倒的な情報優位を背景に大手が企業ぐるみでその気になれば、“何でもあり”にできること。化学物質は、八万種類も市販されている。監視にも限度がある。これらを整理していくような消費者の選択も必要になるだろう。フェロシルトは、自治と自立を問うている。
11/1 2005/11/1伊勢新聞
フェロシルトは「産廃」/県や環境省が認定

 三重、岐阜、愛知、京都の3県1府と環境省は31日、石原産業(本社・大阪市西区、田村藤夫社長)が不正製造していた土壌埋め戻し材「フェロシルト」を、「産業廃棄物」と認定した。今後、相互に連携を図りながら、刑事告発など法的措置を検討する。
 
環境省は、石原産業がフェロシルトを販売する際に引き取りの見返りとして業者に代金を支払う「逆有償」を行っていた疑いが強く、「産廃と判断できる」と認めた。

 既に「フェロシルトは産廃と言わざるを得ない」との見解を一致させていた3県などはこの日、合同で同省を訪問。

<つづく>《つづきは本紙紙面にて》


朝日新聞
「フェロシルトは産廃」愛知県などの見解、環境省も了承
2005年11月 1日 (火) 07:11

 化学メーカー石原産業(大阪市)の埋め戻し材「フェロシルト」の埋設地から有害な六価クロムが検出された問題で、環境省は31日、「フェロシルトは産業廃棄物」とする三重、愛知、岐阜3県の見解を了承する方針を決めた。3県は近く、廃棄物処理法に基づく撤去命令などに必要な手続きとして、まずフェロシルトを産廃に認定する見通しだ。

 3県などが撤去命令を出すと、同社は国を相手取り、行政不服審査法に基づく異議申し立てをすることなどが可能。所管官庁の同省は同日、事前協議に訪れた3県と京都府に対し、さらに立証作業を進めるよう求めた。

 3県は、同社がフェロシルトの商品価格を大幅に上回る金額を販売先の業者側に支払っていた事実をつかみ、同社がフェロシルトを産廃と認識しながら業者に引き取り料を支払った「逆有償」の疑いが強いとの見解で一致。また三重県検討委員会は、製造過程で六価クロムが生成した疑いが濃厚との見解を6日にまとめる。

 同省は3県調査をもとに「正当な商行為でなく逆有償の疑いが強い」とし、土壌汚染の原因がフェロシルトである可能性が高く、製造過程で産廃とするべきほかの廃液を混入していたことを重視、判断した。同社が業者に支払ったカネを「運搬費」と説明している点についても「逆有償であることは明らか」(廃棄物・リサイクル対策部)としている。



2005/11/1伊勢新聞
受け入れ先にめど/フェロシルト問題で野呂知事発言

 大手化学メーカー、石原産業(本社・大阪市西区、田村藤夫社長)が土壌埋め戻し材「フェロシルト」に廃液を不正混入していた問題で、野呂昭彦知事は31日開かれた中部圏知事会議で、「大変迷惑を掛けた。リサイクル製品認定した県として道義的責任を感じる」と陳謝。
 その上で、住民が強く要望している施工現場での撤去について、
「石原産業の自主回収が基本だが、(安全確保のため)県として受け入れ先の確保を最大限努力しており、ほぼめどをつけた」と話した。同社は保管場所や処分場確保が整い次第、撤去計画を県に提出するとしており、めどがついたことで近く県に提出する見通し。

 知事は愛知、岐阜や近隣県の知事が出席する同会議で、議題にはなかったフェロシルト問題について急きょ発言。認定責任者として道義的責任を陳謝するとともに、撤去の見通しを語った。

<つづく>《つづきは本紙紙面にて》
11/5 三重県が石原産業を告発、フェロシルト問題

2005年11月05日13時39分

 化学メーカー石原産業(本社・大阪市)の埋め戻し材「フェロシルト」の埋設地から有害な六価クロムが検出された問題で、三重県は5日、同社と同社関係者1人を廃棄物処理法(委託基準)違反の疑いで同県警に刑事告発した。これを受けて県警は、週明けにも家宅捜索令状の請求手続きに入り、来週半ばにも石原産業本社や同社四日市工場(三重県四日市市)の家宅捜索に乗り出す。

 県は、同社が製造・販売した約70万トンのフェロシルトのうち10〜13万トンについて、産業廃棄物と認識しながら産廃の埋め立て処分の許可を持たない同県内の複数の業者に、1トンあたり3000円で埋め立てを委託した疑いで告発した。

 三重県は、同社が販売価格を20倍以上上回る「用途開発費」などの名目で購入業者に金銭を支払っていたことを書類や聞き取り調査などで確認。同社がフェロシルトを産廃として認識していたことを示す「逆有償」にあたり、事実上の「産廃処分料」だったと判断した。

 正午から記者会見した同県は、告発対象を同社と「決裁権のある関係者1人」と説明、役職名などは明言しなかった。

 同県環境森林部の松林万行・総括室長は「用途開発費や改質加工費名目で運送費を逆有償していた点が最大のポイント。事実行為で産廃と判断した」とし、「全容解明には行政だけでは壁があるので告発した」と話した。

 「『会社ぐるみ』は今後の捜査の進展次第で明らかにされるだろう」とも述べた。

 同社の田村藤夫社長は4日にあった同県議会健康福祉環境森林委員会で「フェロシルトは産廃ではなく商品」との認識を強調。「逆有償」については「実質的に運搬費だ。製造元が製品を届け先に送る費用を支払うのは商行為のうえで合理的」として、同県などの見解に反論していた。同県が刑事告発をした場合は「重く受けとめる」として、対応を協議する姿勢を示していた。

 同社は10月12日にフェロシルト製造にあたり不正な廃液を混入した事実を公表。同県と愛知・岐阜両県は、混入の経緯とともに成分や販路などを調べてきた。三重県は同17日に本社や工場などに立ち入り調査し、販売先や月報などの書類の提出を受けて調べていた。

 だが、一部に見あたらない資料があることや、取締役会議事録の提出を拒むなど同社が非協力的な姿勢を示したことで、県は事実関係の解明には捜査当局による関係書類の押収などが不可欠と判断した。
11/9 岐阜県も刑事告発 石原産業フェロシルト問題
2005年11月 9日 (水) 13:06

 化学メーカーの石原産業(大阪市)が開発したフェロシルトの埋設地から六価クロムが検出された問題で、岐阜県は9日午前、法人としての
同社と田村藤夫社長(66)を含む同社関係者3人を廃棄物処理法(不法投棄)違反の疑いで同県警に告発した。一連の問題では、先に同社と元副工場長を同法(委託基準)違反容疑で告発した三重県に続く措置となる。

 田村社長のほかに同県が告発したのは、同社四日市工場の前工場長(61)=現・同社常務=と元副工場長(68)。

 告発によると、同社などは03年7月ごろ、岐阜県土岐市泉町の山林に、本来は汚泥として処理しなければならない約2万7000立方メートル(約3万トン)のフェロシルトを、事情を知らない業者を利用して不法投棄した疑い。

 同県は、有害性のあるフェロシルトを「リサイクル製品」と称して流通させた一連の問題について、これまでの事情聴取などから会社上層部の関与があったと判断した。

 同県は告発に合わせ、同日、同社に撤去命令(措置命令)の前提となる弁明通知をした。10日以内に弁明書を提出するよう求める手続きで、提出期限は今月19日。弁明書の内容を検討したうえで、県内11カ所のうち撤去を完了するなどした2カ所を除く9カ所について、来年2月末までの全量撤去を求める措置命令に踏み切る方針だ。